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正しい目標設定⑥

さて、これまで達成目標を学習目標と業績目標の2つに分類し、業績目標(自分の能力を肯定的に評価されたい、あるいは否定的な評価を免れたいという目標)は、自分の能力以上の目標を回避する傾向があること、業績目標よりも学習目標を意識させることが大事であることを指摘しました。


■業績接近目標と業績回避目標

業績目標を、業績接近目標と業績回避目標の2つに分類するという考え方もあります。

業績接近目標は、ポジティブな評価を得たいという動機が強い場合に意識されるものです。

業績回避目標は、ネガティブな評価を避けたいという動機が強い場合に意識されるものです。

学習目標や業績接近目標は成功期待が強い場合に意識され、業績回避目標は、失敗懸念が強い場合に意識されます。



■「自分はまだ本気出してない」症候群

業績回避目標を持つタイプは、自分の価値が傷つくのを回避するために、あえて努力を差し控える傾向があることが指摘されています。無能さを露呈させないためには、無用な失敗を避けることが必要であり、そこであえて努力しないという戦略が使われるのです。

全力で取り組んで失敗した場合には能力の欠如が明らかですが、「本気を出していないだけ」という言い訳の余地を残すことで自己防衛を図るのです。

ちなみに、わざと手を抜いて自分にハンディを付けることで、万一失敗したときの印象の悪化を和らげようとすることをセルフ・ハンディキャッピングと言います。試験前に「体調が悪くて勉強できない」「他のことが重なって十分時間が取れない」ことを殊更に強調するケースがありますが、セルフ・ハンディキャッピングの例と言えます。


■「自分ならできる」と思わせることが大事

さて、このように業績回避目標は明らかにモチベーションの阻害要因となりますので、モチベーション・マネジメントの観点からは何らかの対策が必要になります。

1つは、これまで見てきたように、学習目標を持つように促すことです。そしてもう1つは、目標設定以前に「自分ならできる」という自己効力感を持たせるようにすることです。

自己効力感については、また回を改めて取り上げたいと思います。


【参考】
『モチベーションの新法則』榎本博明著 日本経済新聞出版社


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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