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トランプ経済学②(保護貿易主義)

日が経つにつれ、トランプ氏の発言が現実的(控えめ)になり、選挙前と打って変わって、好意的な論評が目立ち始めています。TPPについても依然、悲観的な見方が主流ですが、「トランプ氏はビジネスマンだから利益があると分かれば乗るのではないか」という声もありますが、さてそこまではどうでしょうか。


■二刀流は正しいか?

前回の比較優位説の考え方を少し身近なケースに応用してみましょう。

「やり手の弁護士で家事も得意な妻と家事は人並み以下の夫」という夫婦がいたとして、「妻が弁護士業と家事の両方やるのが合理的か」という問題を考えてみます。

この場合、妻には弁護士業に専念してより沢山稼いでもらい、夫は家事に専念してもらったほうが夫婦全体の利益にかなっています。さらに専業化すれば夫の家事も上達し、人並みくらいにはなるはずです。

これは「事務処理も得意な弁護士」でも「野球もゴルフも才能がある若者」でも同じです。前者であれば事務処理は秘書に任せたほうがよいし、後者であればどちらかより才能に恵まれたほうを選択するほうがよいです。

世の中には何でもそつなくできる人はいますが、それでも何か1つの職業に特化したほうがよいのです。

比較優位説は単なる分業のメリットを説いているものだということがお分かり頂けると思います。


■保護貿易は分業の否定に他ならない

保護貿易が自分たちの利益につながると考えるアメリカの人たちは、次のような事実を考えてみるとよいかもしれません。

アメリカ国内では歴史的にはフロリダではオレンジを栽培し、テキサスでは石油を採掘し、カルフォルニアではワインを生産し、ミシガンでは自動車を生産してきました。

もし自分の州で生産されたものしか消費できなかったら、今日の生活水準は実現しなかったでしょう。州を国に置き換えれば、貿易の利益は明らかです。

自由貿易を否定することは究極的には全部自分たちで賄うということですから、分業の否定に他ならないのです。


【参考】
『マンキュー経済学I ミクロ編 第2版』N.グレゴリー マンキュー著 東洋経済新報社


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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