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結論は決め方で変わる①

前回、集団の知恵を引き出すための条件の1つとして、集約性(個々人の判断を集計して集団として1つの判断に適切に集約するメカニズムが存在する)を挙げ、意思決定のやり方によっては結論が異なることを指摘しました。
今回は具体的にどう結論が変わるのか見ていきます。

■多数決で決めると

ある会社でERPパッケージを導入する例を考えてみます。情報システム部主催の下で各部門の幹部が合計で9名集まり、A社、B社、C社のいずれかのパッケージのうち、採用する1つを決めようとしているとします。

各メンバーのそれぞれのパッケージの順位は、「A・C・B」の順が4名、「B・C・A」の順が3名、「C・B・A」の順が2名だったとします。

決め方①

多くの場合はここで多数決を取るかもしれません。1位A社の人が4名、1位B社の人が3名、1位C社の人が2名ですから、多数決の場合、A社のパッケージソフトが選ばれます。

しかし多数決では過半数を占めるA社以外の意見が反映されません。よって、もう少し工夫をするかもしません。たとえば決選投票付き多数決です。この場合、まず最初の投票で1位と2位を決め、その後に1位と2位の中から1つ選ぶという形をとります。

上の例だと、まず最初に1位A社、2位B社が決まります。そして決選投票では、最初にC社を推した2票が加わってB社5名、A社4名となり、B社が選ばれます。


■ボルダルール

また決め方には多数決のほかに、加点方式があります。その1つにボルダルールというものがありますが、これは順位に配点を付けるやり方です。具体的には「1位に3点、2位に2点、3位に1点」と点数を付けるのです。

上の例にボルダルールを適用すると、C社が20点(2点×7名+3点×2名)、A社が17点(3点×4名+1点×5名)、B社が17点(1点×4名+3点×3名+2点×2名)でC社が選ばれます。

つまり多数決、決選投票付き多数決、ボルダルールでは、結論が異なってしまうのです。

【参考】
『「決め方」の経済学』坂井豊貴著 ダイヤモンド社




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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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