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結論は決め方で変わる③

■決め方で結論は変えられる

ここまでお読み頂いた方は、もうお気づきかもしれせん。そう、決め方で結論が変わる可能性があるということは、決め方で結論を変えられるかもしれないということです。

仮に多数決ではAに、決選投票付き多数決ではBに、ボルダルールではCが選ばれるのであれば、みなさんが希望する選択肢になるように決め方を選択すればよいことになります。たとえばあなたがA推しだとしたら、多数決で決めようと主張すればよいわけです。


■議案を出す順番を操作すれば望む結果を実現できる

決め方と言えば、何といっても多数決が一般的でしょう。では、多数決で不利な場合であったら、どうすればよいでしょうか。次の例を考えてみます。

決め方③

このまま多数決でいけば、6人が1位に推しているAが選ばれます。議長であるあなたは、内心ではCを推しており、何とかCにしたいと考えているとします。その場合、どうすればよいでしょうか。

A対Bでは、8対5でAの勝ち
B対Cでは、11体2でBの勝ち
C対Aでは、7対6でCの勝ち

このことに注目すると、トーナメント方式を採用し、まずAとBを競わせてAを勝たせた後に、AとCを競わせてCを勝たせるということが考えられます。

つまり議案を出す順番を操作すれば自分が望む結果を実現できる場合があるのです。


■多数決サイクルが生じるときは要注意

このような逆転現象は、多数決サイクルが生じる場合に生じます。多数決サイクルとは、選択肢ごとに多数決で比較していくと選好が循環してしまう(堂々巡りになってしまう)ことを言います。

たとえばりんごとみかんではりんごのほうが好き、りんごとメロンではメロンのほうが好きなら、メロン・りんご、みかんの順に好きだと推定されます。しかしながら実際にはメロンよりみかんのほうが好きといったような堂々巡りは十分にあり得ます。

ちょうどじゃんけんのグー・チョキ・パーの関係をイメージすると分かり易いでしょう。

上の例では、先に触れたようにA対BではAの勝ち、B対CではBの勝ち、C対AではCの勝ちで堂々巡りになります。この場合は議案を出す順番を操作すれば自分が望む結果を実現できるのです。


■議案を出す順番を操作するのは割とかんたん?

議案を出す順番を操作するのは、思ったよりも簡単かもしれません。会議の場で自分が望まないAとBだけ話題にし、頃合を見て「では、とりあえずAとBで決めましょうか」などと言ってBを落としてしまいます。その後、おもむろにCを取り出してAと比較させれば良いのです。

私の経験からしても、一度落とされた選択肢が再び話題になることはほとんどありませんから、あなたは自分が望むCを結論にすることができるのです。


■騙されないために気をつけること

「何であんな選択肢を選んだのだろう」と後から不思議に思ったら、(意図的かどうかはともかく)多数決サイクルの罠にハマったのかもしれません。

さて、ここまでは操作する方の立場で述べてきましたが、もちろんこれは公正ではありません。何らかの作為が感じられたら、ボルダルールで決めることを提案しましょう。

また仮に多数決である選択肢に決まってしまった場合は、それがペア敗者(ほかのあらゆる選択肢にペアごとの多数決で全敗する選択肢)でないか確認し、そうであるならそれを指摘する必要があるでしょう。



【参考】
『「決め方」の経済学』坂井豊貴著 ダイヤモンド社





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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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