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自分が有能だと感じるためには(自己有能感①)

■人は無意識に比較する

自分が優秀だという感覚である自己有能感は、他者との比較で決まります。私たちは好むと好まざるを問わず、無意識的に誰かと比較します。一般的には、比較する相手は、自分と類似した他者が好まれると言いますが、能力を比較するときに限っては、自分の能力を向上させ、他者を凌ごうとする圧力(向上性の圧力)も作用するので、自分の能力よりもわずかに優れている他者との比較を好むと考えられます。


■自分の気持ち次第で比較対象が変わる

自分よりも優れた人と意図的に比較する人は、その優れた他者を上回ろうとする強い向上性のために比較することが多く、比較する他者の存在が自分を鼓舞し向上しようとするモチベーションを促進させるため、モチベーションやパフォーマンスに対してポジティブな影響が見られる傾向があります。

その一方で、優れた他者との比較によって有能感が脅威にさらされ、意気消沈してモチベーションが低下し、そしてついにはパフォーマンスが低下する恐れがあることも指摘されています。


逆に自分よりも劣った他者と意図的に比較する人は、自分が何かしらの成長をしたいと思って比較しているというよりは、傷ついた自尊心を守りたいとか、あるいは優越感を得たいといった消極的な理由で比較していることが多いため、モチベーションが高まることなく、パフォーマンスは向上しないと言われています。


■優れた他者との比較が向上を促すには?

自分よりも優れた他者と比較することにはポジティブな影響とネガティブな影響の両方が考えられますが、どちらの影響のほうが大きいのでしょうか。

これは人が持っている有能感によって違ってきます。ある調査によると、有能感の高い人が自分より優れた他者と比較した場合にはパフォーマンスの向上が見られますが、いくら自分より優れた他者と比較しても自身の有能感が低い場合には、パフォーマンスの向上が見られないことがわかりました。

自分より優れた人と比較することでモチベーションやパフォーマンスを高めることができるかどうかは、有能感がカギを握っているのです。


■人はどうやって自分の有能感を維持しようとするのか

心理学には自己評価維持モデルというものがあります。これによれば、自己評価(有能感)に影響を与える要因として、次の3つを取り上げています。

①自分と他者との心理的な距離(近接性)
他者との心理的な距離が近くなるほど自身の有能感が影響を受ける。
②その領域における自己関与度(重要性)
他者の行っていることが自分のそれと類似するほど自身の有能感が影響を受ける。
③他者の遂行レベル
他者のパフォーマンスが高いほど自身の有能感が影響を受ける。

自分より優れた他者との比較に適用すると、自分と似たような状況にあると考えていた人が、自分の関心のある分野で、優れたパフォーマンスを上げると、他者の業績を低く見積もったり(大したことはない)、成功した他者との心理的な距離をあけたり(彼とは関係がない)、その分野の重要性を下げたり(自分には関係のないことだ)することで、自分の有能感を維持しようとするのです。


【参考】
『行動を起こし、持続する力』外山美樹著 新曜社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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