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「大きな池の小さな魚」か「小さな池の大きな魚」か(自己有能感②)

年が明けると受験シーズンが始まります。親御さんとしては、我が子を少しでも偏差値が高い学校に入れたいと思うでしょう。
では、「難関校でそこそこの生徒」と「並みの学校で優秀な生徒」では、どちらがよいのでしょうか。

■2:6:2の法則

「従業員の2割が優秀、6割が普通、2割が働かない」という2:6:2の法則というものがあります(1対8対1の原則というものもあります)。神輿を担ぐのは2人、担いでいるふりをしているのが6人、ぶら下がっているのが2人などと言われますが、このイメージです。

面白いことに、割合はともかく、この現象はどのような集団でも当てはまるそうです。たとえば働きバチの集団で最も働くハチだけを集めてグループにしても、その中ではやはり働くハチは一部で、以前は働き者だったその他のハチは働かなくなるのです。

優秀なメンバーを集めたプロジェクトチームではどうなのかといった調査結果は知りませんが、おそらく以前よりはパフォーマンスが悪くなるメンバーは存在すると考えられます。


■無理に上位校にいくとかえって成績が落ちる

「難関校でそこそこの生徒」になるのがいいのか、「並みの学校で優秀な生徒」になるのがいいのかについては、アメリカの大学の経済学の博士課程修了者を対象にした調査があります。

学者の評価は、一流の学術専門誌にどれだけ自分が書いた論文が掲載されたかで測るのが一般的です。上位校(ハーバード、MIT、スタンフォードなど7校)とそれ以外の30校の校内の成績ランク別に卒業後6年間の掲載論文を比較したところ、次のような結果になりました。

<上位校>
成績上位1%:平均4.31本
成績上位20%:平均0.6本

<それ以外の30校>
成績上位1%:平均1.05本
成績上位20%:平均0.04本

上位校以外の30校とハーバードの掲載論文数を比較すると、次のようになります。

上位校以外の30校で成績上位1%は、ハーバードで成績上位15%と同程度
上位校以外の30校で成績上位5%は、ハーバードで成績上位30%と同程度
上位校以外の30校で成績上位10%は、ハーバードで成績上位40%と同程度
上位校以外の30校で成績上位15%は、ハーバードで成績上位45%と同程度

このデータからは、上位校のそこそこや並以下の学生は、下位校の優秀な学生に劣るということが確認できます。

全米の上位校ですから、基本的にはもともと高校時代にかなりの能力があり、努力も怠らなかった学生ばかり集まっているはずです。ただし、最初から上位校でもかなり成績が良いことが見込まれない限り、無理に上位校にいくとかえって成績が落ちる可能性が高いということが見て取れます。

もちろん単純にアメリカの大学のデータを日本の学校に当てはめることはできませんが、難関校にいったからといって必ずしも優秀であるとは限らないことはイメージがつくはずです。少なくとも「優秀な学生が集まっている学校の方が刺激があって伸びる」というわけではないことは言えると思います。



【参考】
『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』マルコム・グラッドウェル著 講談社


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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