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「大きな池の小さな魚」か「小さな池の大きな魚」か(自己有能感③)

■小さな池の大きな魚効果

前回、無理に上位校にいくとかえって成績が落ちる可能性が高くなることを指摘しました。学業レベルの高い集団に属すると、その人の有能感が低下し、逆に、逆業レベルの低い集団に属すると、その人の有能感が高まるという現象は、心理学ではそのものずばり、「小さな池の大きな魚効果」と呼ばれます。

「小さな池の大きな魚効果」は、残念ながら我が国での調査は存在しないようですが、かなり普遍的に見られる現象のようです。

私事な例ではありますが、私は公立小学校から受験して国立中学に進学しましたが、自分ではかなり勉強したはずなのに、上位4分の1以内には入れず、すっかりやる気を無くした経験があります。また高校では、おそらく受験時代には学業優秀だったはずなのに、入学後はまったく勉強しないという友人も見てきました(私もその1人でしたが)。

調査結果を目にしたことはないのですが、たとえば難関の一流企業に所属していても、あまり仕事ができない人はいます(もちろん学業で仕事の能力は測れないということもありますが)。これも「大きな池の小さな魚」であるのかもしれません。


■有能感は比較で決まる

「自分が有能だと感じるためには(自己有能感①)」でも触れたように、人は無意識のうちに比較をします。

レベルの高い集団に属すると、その人の有能感が低下するのは、周りの高いレベルが判断基準となるからに他なりません。逆にレベルの低い集団に属すると、その人の有能感が向上するのは、周りの低いレベルが判断基準となるからです。


■レベルの高い集団に所属することのメリットは?

さて、レベルの高い集団に所属することのメリットはないのでしょうか。優れた友人から刺激を受けたり、切磋琢磨したりすることの効果はあると思います。また、心理学では社会的に高い評価を受けている個人や集団と自分が何らかの結びつきがあることによって、自分の評価を高める(高まる)ことが確認されており、これを栄光浴効果(ラベリング効果)といいます。

たとえば一流大卒とか一流企業の社員とかといったことから自分は優秀なのだと感じられるということで、確かに有能感にポジティブな影響を与えることは確かなようです。

しかしながら、心理学の研究によれば、無理にレベルの高い集団に属するデメリットが、メリットを大きく上回ることは確かなようです。それだけ私たちは、周囲との比較に影響されるということでしょう。


【参考】
『行動を起こし、持続する力』外山美樹著 新曜社
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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