FC2ブログ

誰かがいるとパフォーマンスが上がる場合(社会的促進)①

昨年末にこのブログで社会的手抜きについて取り上げました。これは、集団になると人は怠け、単独で作業を行うよりも1人あたりの努力の量が低下する現象のことを指し、一般的に見られる現象です。
しかしながら、「1人でやるより集団でやったほうが1人あたりのパフォーマンスが上がることもあるのでは?」という疑問はあると思います。たとえば他人に見られることを意識して頑張るといったことが考えられます。

■社会的促進

作業や課題を遂行している時に、そばに他者がいることで、その作業や課題の成績が高まる現象を、社会的促進といいます。

これには、同じ作業や課題を行っている他者が別にいることによるものと、単に他者が傍らで見ているだけでも生じるものがあります。

前者は、同じ作業をやっている人が存在することで、自分もつられて作業に熱中してしまうということをイメージすればよいと思います。自分も他者も同じ内容の作業をしているが、互いの交流はなく、かつ個人の業績が明らかになる場合(共行動状況)の場合に社会的促進が生じることがわかっています。徒競走や水泳競技などが典型例です。

後者は、誰かに観察されると、いつもより頑張ってしまうということで、観察者がいると工員がいつもより高いパフォーマンスを上げてしまうといったホーソン効果が指摘されています。個人スポーツなどで観衆がいるとモチベーションが上がるといったこともこれに該当します。


■社会的促進は課題の質による

では、社会的促進はどのような場合に生じるのでしょうか。一般に、簡単な、十分学習し、身に付いた課題(たとえば、自転車のペダルを漕ぐ、1ケタの足し算をする)の場合は、集団で行う方が1人で行うよりも、1人あたりのパフォーマンスが良くなります。

一方、難しい課題や学習が不十分な課題(高等数学の問題を解く、慣れていない人がスマホでメールを書く)では、間違いが多くなったり、作業の質が低下したりすることがわかっています。集団になるとパフォーマンスが低下することを、社会的抑制といいます。


社会的促進は、私たちの生活の中に広範囲で見られる現象です。たとえば、誰かが何かを食べだすと自分もつられて食べだすといった具合です。誰かと一緒に食事をしたほうが、1人で食事をするよりも、食べる時間も食べる量も多くなることがわかっています。ダイエットをしたければ、1人で食事をするほうがよいでしょう。


【参考】
『人はなぜ集団になると怠けるのか』釘原直樹著 中央公論新社
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR