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パートナーがダメだと頑張る?(社会的補償)②

前回、能力が劣っている他者と組んで作業を行う状況で、しかも作業成果がグループ全体で共有される(連帯責任)場合には、他者の不足分を補うべく個人のパフォーマンスが上昇することが生じる場合がある(社会的補償)ことについて取り上げました。

■社会的補償が生じるとき

第1に社会的補償は、課題の重要性が高く、かつ同僚の能力が低いときにのみ現れる傾向があります。これについては、前回触れたとおりです。課題が重要でなければ、他者のカバーをする気にはなれません。

第2に、一緒に仕事をしている同僚や相方から当分逃れられない場合、社会的補償が現れる可能性があります。集団から短時間で離れられる場合には、相手の分まで仕事をする気にはなれないでしょう。

第3に、社会的補償は仕事を始めた初期に現れやすい可能性があります。相方が首尾一貫として手抜きを続ければ、こちらも呆れ果て、バカバカしくてフォローする気にはなれないでしょう。ただし、2つめで触れたように、相手との関係が長期に渡る場合はこの限りではありません。

第4に、社会的補償が発生する集団は、集団サイズが比較的小さいことが挙げられます。集団サイズが大きいと、あえて自分がフォローする気にはなれなくなり、社会的手抜き(集団になると手を抜く)と似たような心情になるでしょう。


■社会的手抜きは必要悪?

人はあるときには社会的手抜きを行い、あるときは社会的補償を行って、労力のバランスを取っているのかもしれません。すべてのことに努力を傾注することは難しいからです。「この人、何か手を抜いているな」と思ったら、「きっと他のことに忙しいのだろう」と思うと、気がおさまるかもしれません。

また自分より劣っている人をカバーすることで、自分自身の自尊心を維持しているという面も否定できず、考え方によっては社会的手抜きはモチベーション維持に貢献しているとも言えます。


【参考】
『人はなぜ集団になると怠けるのか』釘原直樹著 中央公論新社


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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