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私たちは物価上昇を意識するのか?①

■遠のくインフレ目標

総務省統計局から発表されている2016年11月分の消費者物価指数(CPI)を見ると、前年同月比で総合0.5%、生鮮食品を除く総合(コアCPI)-0.4%、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)0.1%となっています。
2013年度に日銀が定めたコアCPI2%の達成期限が、当初の2年を目処から、度々先送りされ、昨年10月に黒田総裁自身が自らの任期中での達成が難しいとの見通しを経済誌のインタビューの中で示しました。

2%のインフレ目標が実現していないことを批判する一方で、その手段である金融緩和には批判的な論調が野党やマスコミ、知識人(と言われている人)の一部から出ているのは、どうにも論理的な整合性がないように思えます。

またデフレだと沢山モノが買えてよいという誤った認識が未だに定着している感があり、先日、朝日新聞で掲載された経済論評もその立場です。


■デフレがマズイよくある理由

デフレはマズイ理由として、良く取り上げられるものとして、フィッシャー方程式があります。本ブログでも以前取り上げましたが、再掲しておきます。

実質利子率=名目利子率-予想インフレ率

名目とは額面上の値(つまり我々が負担で目にする値)であり、予想インフレ率(期待物価上昇率)は「人々が今後、どれくらい物価が上昇すると考えているか」を示すものです。予想インフレ率は、物価連動型国債の金利などで計測されます。

フィッシャー方程式によれば、デフレ(予想インフレ率がマイナス)だと、名目利子率が低水準で推移しても、実質利子率が上昇することになります。

たとえば、名目利子率が0%でも、予想インフレ率がマイナス1%になれば、実質利子率は1%上昇することになります。

よって資金を借りようとする人や既に借りている人にとっては、デフレ(あるいはデフレ予想)は、金利負担の上昇を意味し、資金需要を圧縮させ、設備投資や住宅投資意欲を減退させるということになります。だからデフレは悪いというわけです。


■GDPや賃金にも物価上昇率が反映される

ちなみに名目から期待インフレ率あるいはインフレ率を差し引くと実質的な値が出るという考え方は、名目と実質の左右を入れ替えて、利子率以外の次のものにも応用されます。

名目GDP成長率=実質GDP成長率+インフレ率
名目賃金上昇率=実質賃金上昇率+インフレ率

(つづく)



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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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