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トランプ政権への現実的な対応は?③

■のらくら作戦も案外うまくいく!?

前回は、トランプ大統領の日本企業叩きに現実的に対処するために、日本企業はトランプ政権に屈した振りをすればよいだけだと指摘しました。口約束だけすればトランプ大統領はとりあえず満足しますし、ズルズルやっていれば、そのうち何かあってそちらに関心が移るか、政権が変わります。

そんな適当でいいのかと言うと、案外いい可能性があります。1985年のプラザ合意を例にします。対米貿易黒字が大きい日独を中心にドル安誘導が決められましたが、真面目に履行したのは日本くらいで、旧西ドイツは何かと理由をつけてのらりくらいと誤魔化し続け、結局はマルク高を回避しました。1990年代に入るとアメリカ経済も回復し、ドイツ統合もあって、旧西ドイツによるマルク安是正は事実上沙汰止みになってしまったのです。

縁起でもない話かもしれませんが、そのうち中東で何か重大な問題が起きるとか対中関係が極度に悪化するとかいった事態になれば(その可能性は高い)、トランプ政権も日本企業叩きどころではありません。


■トランプ外圧を景気対策に利用する

これまで個別の日本企業レベルの対応について考えましたが、今度は日本政府レベルでの対応について考えてみましょう。

トランプ政権は大規模な公共投資を予定しており、そのためには多額の国債を発行するはずです。よって日本政府レベルでは、低利(高価格)でアメリカ国債を買ってあげるということも考えられます。

公共投資のために国債を発行すると、政府が資金を吸収し資金の調達コストである金利が上昇します(クラウディング・アウト)。その結果、投資が抑制され、経済にはマイナスに作用します。トランプ政権にとっては痛手ですが、日本が低利でアメリカ国債を直接引き受ければ、それを回避できます。

一方、日本のアメリカ国債の引受は、日本にとっても好都合な面があります。ドル建てのアメリカ国債を買うには、ドルを調達するために円を売る必要があるので、日本にとっては金融緩和と同じ効果があり、日本国内の景気対策でも有効です。もちろん円を売るので為替は円安に振れます。



■トランプ政権の勝利宣言を書けるかがカギ

つまりトランプ政権の外圧を国内経済政策に利用してしまうのです。アメリカは大歓迎で日本にとっても悪い話ではありません。ただし繰り返しになりますが、この場合、あくまでアメリカに対しては「あくまでトランプ政権を助けるため」と主張し、日本国内の経済対策であることには触れない必要があります(もっともまともなエコノミストにはバレバレですが)。

「トランプ政権の勝利宣言を書く」名を捨て実を取る交渉が望まれます。


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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