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トランプ政権への現実的な対応は?⑤

■各国首脳は金融政策を理解していない

トランプ大統領の発言を注意深く見ると、円安は為替介入ではなく量的金融緩和によるものだということを知っているふしがあります。ただし政治家の金融政策の知識はかなり乏しいものがありますから、はっきりしたことは分かりません。

現にドイツのメルケル首相やヒラリー氏もアベノミクス以降の円安を為替政策と思い込んだ発言をしています。

一方、日本の安倍首相は世界の首脳の中でも金融政策の理解という点では傑出していると言う経済学者も多くいます。ノーベル経済学賞受賞者のシムズ教授、クルーグマン教授、スティグリッツ教授らは日本の量的緩和政策を高く評価しています。


■日本はジャパン・ファーストでいく

いずれにせよ円安批判をトランプ大統領をしているので、日本としてはどのように対処するべきでしょうか。

日本は為替介入を行っていないのですから、「為替介入をするな」と言われても別にたいしてダメージにはなりません。ただし「量的金融緩和を止めろ」と言われた場合には大ピンチです。

日本としては事実を説明するということも必要ですが、これまで述べてきたようにあまりトランプ大統領には効果がないかもしれません。よってただ為替介入を否定するのではなく別の言い方が求められるでしょう。

たとえばトランプ大統領の「アメリカ・ファースト」をまずは肯定した上で、日本も「ジャパン・ファースト」で行くことを明言します。トランプ大統領も各国が自らの利益を追求すればよいと発言しているので、違和感はないはずです。

次にトランプ大統領のビジネスマンとして側面に注目するというやり方があります。前回は、トランプ大統領が言う関税政策を行うと、ドル高に振れて、かえって自らの首を締めることになりかねないという点について触れました。「関税を上げるとアメリカが損をする」という点を指摘すれば実利主義者のトランプ大統領の考えを変えることができるかもしれません。

両国が「アメリカ・ファースト」「ジャパン・ファースト」で国内経済を盛り上げることのメリットをアピールした上で、アメリカを日本が支援するという姿勢をうち出すのです。現在、国会で取り上げられている日本の対米投資の拡大も有効です。

具体的には前々回触れたように今後増発が予想されるアメリカの国債を日本が低利で買い入れるということです。

どのみち大統領の口先介入だけで長期的な為替トレンドを動かすことはできず、また高関税政策もアメリカの利益を損なうだけですから、あまり神経過剰に反応しないほうがよいように思えます。

トランプ政権のねらいは、当面の支持者へのアピールという向きが強いので、日本としてもそれを踏まえて適当にむこうの面子が立つ材料をあげればよいというように考えればよいように思えます。


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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