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ビジネスモデル③(ビジネスモデルを考える上でのありがちな誤り)

ビジネスモデル(あるいは事業)の構想では次のようなことをやりがちですが、ほとんど効果は期待できなしでしょう。


■同業他社の成功事例を追ってしまう

ただの二番煎じになるだけです。すぐに真似できるものであれば、とっくに他社も真似しているでしょうから、結局は過当競争になります。

ただし海外や異業種の成功事例をいち早く取り入れるということは極めて有効です。ビジネスモデルでは創造性が求められますが、それは完全な意味での創造性ではなく(それは有り得ないでしょう)、創造的な模倣という範囲でのことです。


■「何が売れているのか」に注目し真似しようとする

これも同様です。ヒット商品のコピーを作ったところで売れるかどうかは不明です。

ビジネスモデルでは「何が売れているのか」ではなく、「なぜ売れているのか」に注目します。すなわち「顧客が抱える問題点は何か」「どのようなソリューションを望んでいるのか」を明らかにし、それを自社の製品やサービスで解消できないかを考えるのです。


■顧客ニーズに過度にとらわれてしまう

アンケート調査などで顧客の要望を聞いても、創造的な事業構想にはつながりにくいでしょう。顧客は製品やサービスについて素人ですから、所詮「もっと安く」「もっと性能を」といったことに終始しがちです。そのようなことは業界企業であればとっくに知っていることでしょう。

顧客のニーズではなく、こちらから顧客を観察し、潜在的な問題を解消することが望まれます。

たとえばP&Gなどでは参与観察と呼ばれる活動を行っています。これは実際にユーザーの自宅に開発者が一定期間留まり、ユーザーがどのように製品を使用しているのかを観察し、ユーザー自身がまだ気がついていないような問題を掘り起こすのです。

あるいは開発者自身が、製品を一定期間使ってみて、その製品が抱えている問題を炙り出すということもあります。


※誤解がないように触れておくと「顧客の声を聞かなくて良い」ということではありません。「顧客は自社にどのようなイメージを持っていうのか」「顧客は自社のどこに不満があるのか」を聞くことは、改善活動にとっては極めて有効です。ただし不満を聞いてそれを解消しても普通のレベルになるだけで、ユニークな事業構想にはならないということです。


■市場機会に過度に注目してしまう。

一般に市場機会と言われるものについては、業界企業であればどこでも気がついているはずで、既にそれを捉えるべく殺到しているのではないでしょうか。それをとらえるためのよほどの強みがあれば別ですが、そうでなければただの二番煎じになるだけです。

ただし市場を観察し、どこも気がついていないような潜在的な問題を発見するのであれば極めて有効です。

前回触れたように、成熟業界(言い換えれば明らかな市場機会などないような業界)であっても、優れたビジネスモデルによって収益を上げている企業が存在することに着目すべきです。


【参考】
『これから伸びる人の必修科目「ビジネスモデル」のきほん』川上昌直著 翔泳社
『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』川上昌直著 
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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