fc2ブログ

こども保険は保険なのか?②

前回は自民党の若手議員が取りまとめた「こども保険」について、実際は税金であることを取り上げました。しかしながら少子高齢化の中で社会全体で子育て支援をするということ自体は間違ったことではありません。


■国の歳入は税金と国債

子育て支援のための歳入の確保にあたっては、税金以外にも国債発行という手段があります。

まず国債について確認しておきます。国債には建設国債と赤字国債の2種類があります。

道路などを造る公共事業を目的に発行する国債を建設国債、社会保障費など公共事業以外に充てるための国債を赤字国債と呼びます。

現世代のための歳入の不足で発行された国債はやがて償還され、その負担は償還時の世代(将来世代)が負担することになります。ただし公共事業は将来世代にも受益があるので将来世代が償還の負担を負うことには問題がなく、建設国債の発行は妥当性があります。


一方、赤字国債は現世代に受益がある一方で、将来世代には負担だけがあるので、財政法では原則、発行が認めていません(ただし特例公債という形で発行されています)。


■教育は超優良投資案件

さて子育て支援に話を戻すと、子育てで最もお金がかかるのは、大学進学のための教育費でしょう。その教育費を教育国債を発行して賄うという考え方があります。

この場合、受益者は子供(将来の大学生)ですから、建設国債と同じと考えることができます。

高等教育を受けることで将来は所得増、失業減などの恩恵があり、便益と費用の比率は2・4程度という実証研究があり、現在の公共事業採択基準を軽くクリアしています。現在、国債発行で借金しても、軽く返してもらえ、かつ将来の所得税収増(失業保険や生活手当の負担減)というリターンも期待できるのです。


■教育国債は国債の品不足にも役立つ

実際に財務省のガイドラインでも教育のための国債発行の妥当性が認められているのですが、財務省は財政悪化を理由に難色を示しています。こども保険を推進する小泉進次郎氏、村井英樹代議士、麻生財務相も同じ立場です。民進党は教育国債を提案しているのは評価できるのですが、財源は増税ですから本質的に変わりません。

繰り返しになりますが、教育国債は大きなリターンを期待でき、かつ受益者負担の原則にも叶うのですから、否定できる論理はないように思えます。

さらに現在の日銀の量的緩和の成約として国債の品不足があります。新規発行分のほぼ全てを日銀が買っているため金融機関分が不足しており、3月末には約8年ぶりに約1兆円もの国債を逆に市場に供給しているくらいです。

教育国債の発行は、こうした国債の品不足の解消にもつながるのではないでしょうか。


【参考】
【日本の解き方】高橋洋一「教育無償化の財源は国債で 知識への投資は最大利益、王道は憲法改正による実現」
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR