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なぜ有事だと円高になるのか?①

朝鮮半島問題の深刻度が増す中で、年初には118円台で推移していた為替レートが110円前後と円高気味に推移しています。さらにフランス大統領選挙でのフランスのEU離脱の可能性が高まると、為替が急に円高に振れたりします。

これまでは「有事のドル買い(ドル高)」がセオリーでしたが、今では「有事の円買い(円高)」というのがマーケットの流れになりつつあります。

4月16日付けの日経新聞には、これまでの世界的なショックが起こった時に円が買われたケースとして、リーマンショックなどの世界的な金融危機(2008年9月)、欧州債務危機(2010年)、東日本大震災(2011年3月)、英国民投票(2016年6月)で「EU離脱」が決まったときが挙げられています。

リーマンショックや欧州債務危機の際の円高は、為替のマネタリーベース・アプローチによって説明できます。通貨発行量が多い国と少ない国では、少ない国の通貨が希少になるので価格が高くなる(増価)ことになります。リーマンショックや欧州債務危機では、各国の中央銀行が通貨発行量を大幅に拡大させた一方で、日本銀行は金融緩和に消極的であり、結果、円高が急速に進みました。

東日本大震災の際の円高について、経済学で言うところのマンデル=フレミング効果によって説明可能です。

①復興のための財政支出を増やす(政府による資金需要が高まる)と、資金の調達コストである国内の金利(利子率)が上昇します(あるいは上昇予想が強まります)。これはクラウディングアウトと呼ばれるものです。
②海外の投資家は金利が高い日本の債券に投資したほうが儲かるので、日本の債権(円建て)を買うためにドルを売って円を買うことになります。
③需要が高まった円は増価(円高)し、ドルは減価(ドル安)になります。

さらに上記のとおり金融政策は緊縮気味でしたので、もともと83円台と円高だった傾向を後押し、76円台まで円高が進みました。

同様の現象は、1995年1月の阪神淡路大震災のときも見られ、1ドル99円台が一時期84円台まで進みました。

(つづく)

【参考】
現代ビジネス「北朝鮮で緊張が高まると、なぜ「日本の円」が買われるのか?」2017年4月17日 高橋洋一

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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