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成果を生むためのブレイン・ストーミングの要件②

「成果を生むためのブレイン・ストーミングの要件①」の続きです。


適度な親密さ

各メンバーは同じ目標の実現のために一定の共通認識を持つ必要があります。したがってメンバー同士が親密であるほど生産性が高まります。そのためにはよいアイデアを出した個人を評価するのではなく、チーム全体で評価する必要があります。

しかしながらメンバーが親しくなり過ぎるのも問題です。暗黙の了解が生まれて意見が同質化し、予想外のものがなくなったり(その結果、刺激がなくなる)、他の意見に異を唱えにくくなったりすると、即興性は失われます。あくまで意見の相違から斬新なアイデアが創造されることを念頭に置く必要があります。


先へ先へと進める推進力

ブレイン・ストーミングでは、1つの話題の固定化が起こる(同じ話題が延々と続くようになる)ことが多いです。即興型のやりとりを促すために、他のメンバーの意見に深く傾聴した上で、その意見を拡大し、新たな意見を積み上げていきます。ただし1人1人が考える時間は取る必要があります。


適度なプレッシャー

グループの集中力を高めるためには、ある程度のプレッシャーが必要になります。

またアイデアの質を高めるためには、結果を求める姿勢が必要になります。たとえば事前に優れたアイデアを出すよう求められたグループは、そうでないグループよりもアイデアの質が高いという調査結果もあります。アイデアの質を高めるためには、最後に複数のアイデアに対し出席メンバーが気に入ったものに投票する、複数のチームを競わせるといったことも有効です。

ただしプレッシャーが強すぎると安易な解決策に走りがちでかえって創造性が失われることになります。特に期限を短く設定することは避けるべきでしょう。


訓練を受けた進行役

即興型のやりとりを促すためには、きちんと訓練を受けた進行役が不可欠です。進行役にはブレイン・ストーミングのルールを周知し守らせる責任があります。そのためにはルールを記した表示板を掲げておくことも有効です。


不断のコミュニケーション

自由闊達な意見交換の場は、会議室だけとは限りません。むしろ公の議論の場であると、上司や他の同僚の目を気にして自由闊達さは失われがちです。

またメンバー間の共通理解を促すためにも、日頃、休憩時などでの非公式なコミュニケーションも重ねるべきです。


このように見ていくと、結局は実際のブレイン・ストーミングでの議論の場よりも、その前の準備段階で成果が決まることがわかります。私は特にメンバーの人選でほとんど決まってしまうのではないかと思っています。

その場になって「何か良いアイデアを出せ」とか「みんなで協力しろ」とか言われてもまず無理でしょう。上手く議論が進まない場合には、これまで挙げた11の要件を満たしていないと考えてまず間違いないでしょう。

繰り返しになりますが、チームでのアイデア(意思決定)が有効となるのは、問題創造型の意思決定(そもそも問題や課題がよく分からず、それに対する解決策もよく分からない)で、即興型のやりとりが求められる場合です。単に個々の意見を積み上げていけば事足りる場合では、ブレイン・ストーミングを行う意味はありません。

さらに、たまにブレイン・ストーミングを行っただけでは上手く機能せず、成果も期待できません。業務の一環として頻繁にブレイン・ストームングが行われるという組織づくりが必要です。これは経営者レベルの課題になります。


【参考】
「凡才の集団は孤高の天才に勝る」キース・ソーヤー著 ダイヤモンド社
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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