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現場の改善能力(見える化)③

■「見える化」の5つのカテゴリー

「見える化」には5つのカテゴリーがあります。

①問題の見える化
②状況の見える化
③顧客の見える化
④知恵の見える化
⑤経営の見える化

このうち中心となるのが「問題の見える化」です。



■問題の見える化

「問題の見える化」とは、日常的な企業活動において発生する大小さまざまな異常や問題が、タイムリーに「見える」ようにするということです。異常や問題が発生するのは現場です。よって、現場レベルで異常や問題を「見える」ようにするのが、「見える化」の原点であり出発点です。

「問題の見える化」は、さらに5つに細分化されます。

①異常の見える化
現場で発生する異常現象そのものをさらけ出し、顕在化させるのが、「異常の見える化」です。情報や数値ではなく、異常そのものを現物として「見える」ようにすることです。

たとえば不良品の発生が増えていると言われても、数値だけではなかなか実感が湧かないでしょう。しかし、不良品の山を隠さずに、誰の目にも「見える」ようにしてしまえば、問題であることが直接的に認知されるはずです。
過剰在庫や不良品、顧客からのクレームといった物理的に感知できる問題は、発生した異常事象そのものを包み隠さず露呈させることが、最も有効な「見える化」であり、「見える化」の原点です。

②ギャップの見える化
基準や計画との間にギャップが生じれば、明らかに問題です。チャートやデータを活用して、ギャップを視覚的に異常事象として認識させるようにすることが「ギャップの見える化」です。

③シグナルの見える化
異常そのものやギャップを「見える化」する前に、異常現象が発生しているという事実を「シグナル」として発信し、顕在化させることが「シグナルの見える化」です。

異常事象そのものが見えるわけではないが、何か異常が発生しているというシグナルをタイムリーに速報ベースで告知することによって、問題解決を加速させることができます。

④真因の見える化
異常やギャップ、シグナルの「見える化」は、異常や問題が発生したという事実を伝えるという点では有効ですが、異常や問題がなぜ発生したのかという「抜本的な原因(真因)」を「見える」ようにしているわけではありません。
しかし目的を明確にし、より詳細なデータや事実を露見すれば、そこから真因が見えてくるというケースもあります。目的や情報を共有し問題発生の根本原因を突き止めるのが「真因の見える化」です。

⑤効果の見える化
問題を「見える」ようにするのは、問題解決を行うためです。さまざまな試作や打ち手を講じて問題に対処したら、その結果も検証しなければなりません。問題が解消されたのかどうかを定量的・定性的に確認するのが、「効果の見える化」です。
改善のために学習する組織になるためには、やりっぱなしにせず、効果測定を行い、その結果を「見える化」することが肝要です。
(つづく)

【参考】
『見える化』遠藤功著 東洋経済新報社
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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