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現場の改善能力(見える化)④

前回は「見える化」の5つのカテゴリーについて、「問題の見える化」を取り上げましたが、今回は残りの4つを見ていきます。


■状況の見える化

「状況の見える化」とは、企業活動の現状を「見える化」するものです。もちろん企業活動の現状を把握できていなければ、問題を発見したり対策を講じたりすることはできません。「状況の見える化」には2つの「見える化」があります。

①基準の見える化
現状の業務における「あるべき姿」を明示したものが「基準」です。異常は基準と現状とのギャップだから、基準が明示されていなければ、異常を認識することはできません。
業務標準や手順書、ガイドライン、ルールといった基準を整備することが、問題発見・解決の第一歩と言えます。

②ステータスの見える化
「ステータスの見える化」とは、企業活動がいまどのように行われているのか、どのような経営資源がどこに存在するのかといった経営やオペレーションに関するステーテス(実態)をタイムリーに共有できる仕組みです。
ステータスには、計画系とリソース系の2つがあります。
計画系のステータスとは、企業活動の全体計画や実行計画、目標や進捗状況など、企業が何を目指して、どのような計画の下で、どのような作業が行われているのかを共有するということです。
リソース系のステータスとは、計画を実行し、結果を出すために必要な経営資源の状況がどうなっているのかを共有するということです。目標を達成したり問題を解決したりするためには、どのような経営資源がどれくらい存在するのかを把握しておかなければなりません。


■顧客の見える化

「顧客の見える化」とは、文字通り、顧客の声やニーズ、嗜好などを共有化するための仕組みです。問題解決とは、最終的には顧客価値の増大が目的ですから、「顧客の見える化」は重要です。
「顧客の見える化」も「顧客の声の見える化」と「顧客にとっての見える化」の2つに細分化できます。
「顧客の声の見える化」とは、商品・サービスの反応、ニーズやウォンツなどの顧客の本音の声を吸い上げて共有化する仕組みです。
「顧客にとっての見える化」とは、顧客の声を一方的に吸い上げるのではなく、顧客にとって必要な情報を効果的に発信し、双方向の「見える化」を実現することです。


■知恵の見える化

「知恵の見える化」は、属人的なノウハウや情報を組織全体で共有化する仕組みです。暗黙知(言語化できない個人的な知識)を形式知(言語化された情報)として組織全体で共有する仕組みをナレッジマネジメントと言いますが、これも「知恵の見える化」です。
「知恵の見える化」も、「ヒントの見える化」と「経験の見える化」の2つに細分化されます。
「ヒントの見える化」とは、ベテランが持っているような考え方のコツ、思考のステップや視点を明らかにし、経験から導かれたコツを明文化することで共有する仕組みです。
「経験の見える化」とは、組織としての様々な経験を事例として記録に残し、伝承することです。


■経営の見える化

これまで見てきた4つの「見える化」が現場のオペレーションレベルであるのに対し、「経営の見える化」は、オペレーション全体の執行を監視・監督するための「見える化」です。
現場の問題解決活動がどのように進行し、どこに新たな問題の火種があるのかをタイムリーにモニタリングできる仕組みがなければ、経営者はその監督責任を果たすことができません。
また企業活動は広範であり、モニタリングの対象も分散していますが、単なる財務指標だけでなく、企業活動の品質が見えるための効果的な仕組みを埋め込む必要があります。
さらに「経営の見える化」は、社外のステークホルダー(利害関係者)に自社の経営状況を「見える化」することも含まれます。


【参考】
『見える化』遠藤功著 東洋経済新報社


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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