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現場の改善能力(見える化)⑦

「見える化」の取り組みは、それぞれの職場や部門内の問題解決に限定されるものではありません。より重要なのは、複数の部門にまたがる問題を顕在化させ、部門横断的・機能横断的な取り組みを加速化させることです。そのためには「見える化」⇒「伝わる化」⇒「つなぐ化」⇒「粘る化」の連鎖が求められます。

改善の企業風土

「見える化」のねらいは、情報共有による認識の共有にあります。以前に触れたように、単に情報をオープンにしても、相手に伝わらなければ「見える化」ではありません。情報の送り手が一方的に「伝える」ではなく、受け手に「伝わる」ように工夫し、努力することを「伝わる化」といいます。

企業ではどうしても組織の壁ができてしまい、業務や情報が分断され、一体となった運営が難しくなります。業務上の様々な非効率や品質の劣化は、本来なら「一本の鎖」としてつながっていなくてはならない業務プロセスや、情報のフローが断絶していることが大きな要因です。

そうした事態に陥らないために、部門や業務の間をつなぐのが「つなぐ化」です。仕事の流れ、情報の流れを部門横断的によどみなく流れるよう整流化させ、常に全体最適を意識しや仕事のやり方、判断や意思決定を行うことが大切です。

部門横断的な「見える化」が行われることによって、単に情報がつながるだけでなく、人と人がつながるようになります。組織の壁を超えた人間同士の連結力を高めることが、「つなぐ化」の目的なのです。

「見える化」を起点とした「伝わる化」「つなぐ化」は、組織全体での問題解決能力を高め、現場力を進化させます。

しかし、「見える化」は一朝一夕に効果があがるわけではありません。10年単位で継続的行っていくべきものです。顧客対応なり生産性向上なり勢いで取り組み始めてもすぐに尻つぼみしてしまうケースが後をたちませんが、そうではなく、「始めたからには10年は続けて本物を目指す」というのが、「粘る化」です。

「粘る化」によって、「見える化」の取り組みに魂が注入され、本物の競争力へと高まります。「見える化」は現場の知恵を最大限に活かし、自律的な問題解決を愚直に続けるという企業風土を手に入れる突破口になるのです。



【参考】
『現場力の教科書』遠藤功著 光文社


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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