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信頼の科学②

受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正が、今国会では見送られることになりました。いずれにせよ、私のような愛煙家にとってはせちがらい世の中です。前回、
信頼について取り上げましたが、今回は、政策に関する信頼性について考えてみます。

■政策の信頼性は何で決まるか

受動喫煙やたばこ増税は、単に愛煙家かどうかといった嗜好の観点以外にも、個人の権利の捉え方や喫煙の影響の科学的根拠などを巡り、なかなか賛否がまとまりません。一方、未成年者の喫煙防止については、おおよそ支持する意見が大勢かと思われます。

このようなたばこ政策を例に、政府の政策の信頼性について調査したものがあります。これによれば、政府の信頼性について、最もよく説明する要素は価値観の共有認知でした。つまり政府が自分と同じような価値観や考えで政策決定しているかどうかが最も信頼を高めるということです。自分と同じなら信頼するし、そうでないなら信頼しないということです。また問題について関心が強い人ほど、信頼にあたり価値観の共有を求める傾向があります。

次に影響力を持つ要素としては、賛否が分かれるたばこ増税では公正さの認知でした。賛成・反対の両者の意見を聞き、客観的に結論を下すというプロセスが政策立案の過程に組み込まれていれば政府を信頼し、そうでなければ信頼しないというわけです。

一方、ほとんどの人が賛成する未成年者の喫煙防止については、能力認知のほうが、信頼性への影響力が強いことがわかりました。政府にその実行力あれば信頼し、そうでなければ信頼しないということです。


■問題の種類によって取るべき対応が異なる。

このような信頼性に関する人々の傾向は、政府のみならず、企業や個人の問題への対処にも応用することができます。

問題が発生したとき、メッセージを送ろうとする相手の価値を理解する姿勢は常に重要です。また、自分たちの提案する対策が、なすべきこととして衆目の一致するところであるような場合には、その対策を実行する能力があると見なされるかが信頼を左右します。

一方、対策への賛否が分かれている場合には、公正な姿勢であると見なされるかどうかが重要となります。

問題の種類によって取るべき対応が異なるわけです。


【参考】
『信頼学の教室』中谷内一也著 講談社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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