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経済成長はどうすれば実現するのか?①(経済成長のためのステップ)

世界を見渡すと、経済成長できた国とできない国の格差が拡がっています。
2000年代の初め、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と呼ばれ、成長が期待された国々のうち、インド以外は経済停滞に陥っているという事実も経済成長の難しさを物語っています。いかにして経済成長は実現できるのでしょうか?
今回の内容は、以前も取り上げたことがあるのですが、次回以降の内容にも関係するので、補足しつつ再掲します。

経済成長はいかの段階を踏むことで達成されます。


■成長の第1段階

経済成長の第1段階は、低生産性部門から高生産性部門への労働者の移動によって実現します。

たとえばかつての日本の場合、地方の農地は狭く、労働力過剰で生産性が低かったわけですが、それが工業化により都市の工場などの高生産性部門へ労働力がシフトすることによって、より多くの付加価値が生まれるようになりました。

さらにこの時期は人口が増加する時期と重なり、豊富な労働力を安価に利用することが可能です(人口ボーナス)。日本では、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で描かれた地方からの集団就職の時代で、終戦から1960年代後半までと考えられます。


■成長の第2段階

やがて地方の低生産性部門から高生産性部門への労働者の移動が完了すると、次の段階に移ります。もはや労働人口の増加による恩恵は受けられず、賃金は上昇しますので、企業にはそれ以上の生産性の向上が求められます。この第1段階から第2段階への転換点を「ルイスの転換点」といいます。よって、次の段階では、設備投資により労働者1人当たりの生産設備の充実を図ることになります。

ちなみに日本の高度経済成長の場合、企業の設備投資はもっぱら銀行からの融資によって行われましたが、その背景には高い日本人の貯蓄率がありました。国民の貯蓄が潤沢にない場合には、外国からの資本を導入するというやり方もあります。

生産性の上昇により賃金が増加し、それが消費に廻る、また企業は収益を拡大させることでさらなる設備投資を行うといったことで総需要が増加し、その結果、総供給(GDP)が拡大するという好循環を作るのがカギになります。


■成長の第3段階

やがて設備投資が一段落すると、今度は知識や技術・技能による生産性の向上が求められるようになります。つまり人間の知恵によるイノベーションが経済成長の重要なカギになるということです。

この段階では高度経済成長が終わり、安定成長にシフトしていきます。より付加価値の高い製品を作る必要があり、そのためには高い知識が求められます。さらに脱工業化、すなわちサービス経済化が進みます。サービス業の多くは人手を介して行われます。よって、仕事に対する知識や技能が生産性向上を大きく左右することになります。


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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