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権限と権力

権限だけでは責任を果たせない

 

影響力(人に何かをさせたり、させなかったりする力)には、権限と権力(パワー)があります。権限とは公式に与えられるもので、たとえば部長には部長の権限が、課長には課長の権限が企業内で公式に認められており、その権限の範囲で影響力を行使することができます。

 

組織論のテキストには、「権限責任一致の原則」というものがあります。これは「与えられた権限に等しいだけの責任を与えなければならない」というものです。たとえば営業部長には営業部長の権限が与えられ、営業部門の責任を果たすことが求められるというわけです。通常の組織では、このように部門長には部門長としての権限が与えられます。

 

しかしながら、営業部長が営業部長としての権限しか与えられないとなると、おそらく営業部門の責任は果たせなくなります。営業部長が部門責任を果たすためには、たとえば人事部門に必要な人材の確保を依頼したり、マーケティング部門に広告や販促をお願いしたり、生産部門に製品を作ってもらったりしてもらう必要があります。また、そうしたことを実現するために社長など経営陣に働きかけることも求められます。

 

ところが営業部長には営業部門の権限しか渡されておらず、他部門を営業部門の意向に従わせたり経営陣を動かしたりする力はないことになります。権限だけでは責任を果たせないのです。

 

 

■優秀な上司は権力者

 

それでは営業部長はどうすれば自らの責任を果たすことができるのでしょうか?それはもう1つの影響力である権力(パワー)も発揮することです。権力というと何かおどろおどろしい響きがありますが、組織論で言うところの権力とは「相手に影響力を行使するための非公式の力」です。

 

みなさんにとって「優秀な上司の定義」とは何でしょうか?様々な意見があると思いますが、私にとっては「権力を持っている人(上層部や他部門に影響を与えることができる人)」です。担当レベルではほとんど何も力がない中で、自らの職責を果たさなくてはなりません。他部門や上層部に掛け合ってくれる上司は非常に頼もしいものがあります。逆にこのような影響力がない上司の部下はとても仕事がやりにくいはずです。

 

 

■権限はなくても権力がある人

 

逆に権限はなくても権力がある人もいます。たとえばお局様と言われる人たちです。彼女らは職場に古くから在籍していますから、入れ替わりが激しい総合職に比べて職場の経緯に詳しく、部門長としても頼りにしがちです。言い換えればお局様は部門長に影響力を行使できる立場にあります。中小企業だと社長でも頭が上がらないベテラン女性社員という方がよくいるはずです。

 

このようなケースは、お局様と言われる女性たちに限りません。私が新卒で法人営業として入社した会社で実際にあったケースですが、某大手電機メーカーの客先の購買部門のベテラン主任(男性)がその上司の購買部長よりも業者選定で絶大な決定権があり、私の勤務先の取締役がわざわざその主任に年始の挨拶に行くといったことがありました。もしかしたら釣りバカ日誌のハマちゃんも本人は意識してないでしょうが権力者と言えるかもしれません。

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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