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アンカリング⑤

今回はこちらからオファーする際の注意点をおさらいしておきます。

 

 

ZOPA全体を交渉対象とする

 

交渉に当たっては、予め最高目標と最低目標を考えておきます。最高目標と最低目標の間をZOPA(交渉価格可能帯)と言います。交渉する際には、どうしても1つの目標だけを考え、それに固執しがちです。たまに、自分の提案が受け入れられず、機嫌を損ねて席を立ってしまう人がいますが、それではみすみす手に入れられる利益を放棄しているようなものです。

交渉の幅をもたせることで、交渉の柔軟性が確保され、何らかの利益を確保できる可能性が高まります。

 

自分のZOPA全体を交渉対象とするためには、最初のこちらからのオファーは、それよりも外れたもの、相手が承諾するはずがないものであることが求められます。たとえばあなたがある仕事の報酬として、最低でも10万円、できれば15万円もらいたいなら、17万円くらいのオファーをするということです。つまり、これまで見てきたアンカリングをするということです。

 

真面目な人にとってはアンカリングは気が引ける行為だと思います。しかしながら、どうせ譲歩するのですから、最初は少々強気でもよいだろうと考えてみてはいかがでしょうか。言い換えれば譲歩をするためのアンカリングなりZOPAということになります。

 

 

■高めだが、現実的な目標を設定する

 

 

模擬の交渉の結果では、より高い目標を設定する人のほうが、控えめな目標を設定する人よりも、より望ましい結果を手に入れる傾向があるようです。

 

これは、第1に、高い目標を設定する人は、それを達成するために、最初に強気の額(アンカー)を提示するからです。意欲が最初の提示価格に影響を与え、さらに最終価格に影響を与えるのです。第2に、強気の目標を掲げる人は、双方が最初の提案を行った後に、強気で駆け引きするからです。意欲の高さは強気の目標を達成するのに役立つ行動をとる動機になるのです。

 

 

■自分の提示額の正当性を示す

 

もちろん、その際には、相手が不快なほど法外な要求をしてはなりません。自分の提示額の正当な理由(根拠)を示す必要があります。先の報酬の例で言えば、相場の時間当たりの報酬額と仕事にかかる時間を提示するといったことです。

 

 

【参考】

「交渉の達人」ディーパック・マルホトラ、マックス・H・ベイザーマン著 日本経済新聞社

 

 

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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