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同族経営のパフォーマンス①

■同族会社はパフォーマンスがよい!?

 

日本の場合、上場会社の約3割が同族経営で、非上場の中小企業も含めると、同族会社の全体に占める割合は95%となっています。また雇用者数で見ると、6割から7割の雇用者が同族企業に勤務しています。

 

同族企業というと日本独特のもののように思えますが、アメリカのS&P500にリストされている企業の3分の1が同族企業で、雇用者の割合も日本と同程度です。

 

同族企業というと、「社長は無能でガバナンスがいまいちで経営が暴走しがち」というのが通り相場かもしれません。経営者は出資者である株主の代わりに経営をする存在であり、株主によるガバナンス(経営監視)が行われますが、同族会社の場合は出資者と経営者がかなり重なりますから、ガバナンスが効きにくいことはあります。

 

しかしながら、研究成果の多くが「同族企業の業績は、非同族企業よりも優れている」ことを示しています。

 

 

■同族会社のほうが暴走しない!?

 

まず、創業家が大株主であることです。先に触れたように、経営者は株主の代わりに経営を行っています。ただし株主の利害と経営者の利害は必ずしも一致せず、雇われ経営者が自分の私腹を肥やしたり、経営面で暴走したりといったことがあります。これを経済学ではエージェンシー問題と言います。これは、依頼する側(プリンシパル)の期待を、依頼され代理を引き受ける側(エージェント)が裏切る可能性が常に存在することを言います。

 

同族企業でない場合、株主は分散していますから、1人1人の株主の影響力は弱く、経営者への牽制機能は働きにくいです。アメリカでストックオプションを付与されたプロ経営者の暴走については、みなさんもよくご存知かと思います。

 

しかしながら、同族会社の場合、創業家という大株主がいますから、経営者の暴走を抑えることができます。経営者も一族の1人である以上は、他の一族の人の意見を無視しにくいでしょう。

 

 

■同族会社はブレにくい!?

 

同族会社では、創業家出身の経営者は、企業と一族を一体とみなすことが多くあります。このような場合、目先の利益ではなく、企業(一族)の長期的な繁栄を目指すので、結果としてブレないビジョンや戦略をとりやすいという主張があります。老舗企業の場合、代々伝わる家訓のようなものがあり、それに則って経営を行うということが見られますが、同族会社でもそのような傾向があるのでしょう。

 

さらに創業家の人脈や名声、その企業だけに重要な経営ノウハウなど、創業家でないと持ち得ない経営資産も貢献するかもしれません。

 

 

【参考】

「ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学」入山章栄著 日本BP

 

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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