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日本が財政破綻する確率は?③

■財政破綻確率を見るための最も適切な指標

 

財政破綻確率を見るための最も適切な指標は、日本国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のプレミアム(保険料率)です。保険は発生確率に応じて保険料が決まりますが、国債のCDSのプレミアムは、国債がデフォルト(債務不履行)に陥った場合に元本を保証してもらうための保険料になります。保険料率は発生確率によって決まりますので、CDSプレミアムは市場関係者が想定している財政破綻リスクを表します。

 

たとえば5年間の国債のCDSのプレミアムが100ベーシスポイント(1ベーシスポイント=0.01%)ならば、市場は今後5年間で財政破綻する確率が1%であることを示しています。

 

 

■日本が5年以内に財政破綻する確率は1%もない

 

では、日本のCDSプレミアムの推移を見てみましょう。

2012年5月量的金融緩和前 約100ベーシスポイント(財政破綻確率1%)

2013年4月量的融緩和開始 約90ベーシスポイント(財政破綻確率0.9%)

2014年4月消費増税 約60ベーシスポイント(財政破綻確率0.6%)

2014年10月追加金融緩和 約80ベーシスポイント(財政破綻確率0.8%)

2014年12月消費税引上げ延期 約58ベーシスポイント(財政破綻確率0.58%)

 

現在は、45ベーシスポイント前後で推移しています。アメリカ国債(20ベーシスポイント)と比べると見劣りしますが、それでも市場は向こう5年間の日本の財政破綻リスクをわずか0.45%しかみていないのです。日本は財政破綻寸前と言っている人はこの点についてどう説明するのでしょうか?まさか0%でないのだから危険性はあるとでも言うのでしょうか?

 

 

■消費増税は財政破綻リスクを高める?

 

日本のCDSプレミアムの推移を見ると、面白いことが分かります。量的金融緩和以降、CDSプレミアムは低下しましたが、2014年4月以降の消費増税による景気悪化により上昇、201412月の消費増税延期決定により低下しています。これはマーケットは、「財政再建のために消費増税が必要」というロジックで動いておらず、「消費増税はかえって日本の財政破綻リスクを高める」「金融緩和は財政破綻リスクを低める」と考えているとも取れます。

 

 

【参考】

「アベノミクスは進化する」原田泰、片岡剛士、吉松崇編 中央経済社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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