fc2ブログ

返報性の原理②

■宿泊客にタオルの再利用を促すには

 

あなたはホテルの総支配人で、宿泊客にタオルの再利用を促したいとします。これは、毎日新しいタオルに交換しないで、同じタオルを乾かして使ってもらうことで、資源の保護や洗剤による環境汚染の削減につなげるという環境保護プログラムの一環です。

ホテルとしてはタオル再利用のお願いが書かれたカードをバスルームに置くことにしました。

 

パターン1

環境保護の重要性を訴える一般的なメッセージを記す。

 

パターン2

宿泊客がタオルを再利用してくれたら、ホテルはそれに応じて一定金額を環境保護団体に寄付するむねを記す。

 

パターン3

まずホテルが無条件で先に寄付を行なったことを告げ、そのあとで宿泊客にタオル再利用への協力をお願いすると記す。

 

実験ではパターン1と2ではほとんど差がなく、パターン3はそれ以外よりも45%高い効果がありました。パターン2はインセンティブ方式であり、「○○してくれたら□□してあげる」、つまり、単なる商取引にすぎません。よって宿泊客側からすればホテル側と取引する理由は何もないのです。

 

一方、パターン3は、返報性の原理(人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならない)に沿ったものと言えます。「当ホテルはお客様に代わって、すでに寄付をしておきました」と告げた上で、「今度は宿泊客であるあなたがこの行為に報いてください」というわけです。

 

 

■協力を求めるならまず与える

 

要するに、同僚や顧客、知り合いなど誰かに協力を促すためには、まずこちら側が無条件で手助けを申し出たほうがよいということです。相手の承諾を得やすいだけでなく、インセンティブに基づいた脆弱な関係よりも、確固とした信頼と相互理解に基づく協力関係を築くことができます。この関係はインセンティブによるものよりも長持ちします。インセンティブによる関係は、与えるものがなくなれば解消されてしまうからです。

 

 

【参考】

「影響力の武器 実践編」N.J.ゴールドスタイン、S.J.マーティン、R.B.チャルディーニ著 誠信書房

 

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR