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顧客ライフサイクルマネジメント②

前回は、顧客ライフサイクルマネジメントというビジネスモデルを取り上げました。これは、顧客の成長にともなうニーズ、好み、所得の変化に沿って提供価値のラインナップを揃え、将来的に高額の高利益な製品やサービスに誘導するというものです。

 

顧客ライフサイクルマネジメントのメリットと条件

 

このビジネスモデルでは、顧客の生涯の早い段階で製品やサービスを通じて顧客を補足し、その後、顧客の成長や成熟に従って新たな製品・サービスへと顧客を移行させるため、マーケティング費用を大幅に節約することができます。顧客の住所や連絡先に関する情報は個人情報として保護されているため、そもそも顧客を補足できること自体が大きな優位なのです。

 

顧客の年齢が進むにつれて顧客の所得が増え、製品・サービスへの習熟も進んで顧客側からも提供されるものの質への要求が大きくなるため、高価な製品・サービスを売ることができるようになり、収益性も増大していきます。

 

顧客ライフサイクルの前半では顧客の獲得が優先されるため、利益度外視の価格で販売して顧客のハードルをできるだけ下げる一方で、ライフサイクル後半では顧客が離脱しないように努めながら利益率を上げていきます。そのためにはフルラインナップの品揃えとともに、顧客を何らかの慣れや習慣によって縛り付けるための仕組み、CRMによって顧客の成長を把握するシステムが必要になります。

 

 

■有効なビジネスモデルの条件

 

以前にもこのブログで取り上げましたが、ビジネスモデルとは、「どのような顧客からどういう商品でどれくらいの時間をかけて利益をあげるか」の設計になります。多くのパターンは、「すべての顧客から、すべての商品で、直ちに儲ける」というものですが、ユニークなビジネスは、顧客、利益、時間軸のいずれかにメリハリがあります。

 

たとえばあえて儲けない顧客や儲けない商品・サービスを設定し、そこから儲ける顧客や儲ける商品・サービスに誘導したり、顧客からの短期的な利益ではなく長期的な利益(顧客生涯価値)の最大化を図ったりします。つまり「損して得する」という発想です。

 

顧客ライフサイクルマネジメントは、顧客、利益、時間軸のメリハリをつけたビジネスモデルと言えます。

 

 

【参考】

『ビジネスモデルの教科書』今枝昌宏著 東洋経済新報社

『ビジネスから「儲け」を生み出す 9つの質問』川上昌直著 日経BP

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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