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失業率の低下は、少子高齢化によるものか?①

■失業率の原因は少子高齢化?

 

10月の完全失業率は2.8%で6月以降、横ばいが続いています。完全失業率は「完全失業者数÷労働力人口」で求められます。少し言葉を定義しておくと、労働力人口は「15歳以上で,労働する能力と意思をもつ者の数」、完全失業者数は「働く意思と能力をもち、求職活動を行っていながら、就職の機会を得られない者の数」です。よって、完全失業者数は、「労働力人口-就業者数」で求めることができます。

 

完全失業推移 

アベノミクス以降、完全失業率が低下していることに対し、「それはアベノミクスの成果ではなく、少子高齢化によるものである」という誤解が未だに根強くあります。これは「少子高齢化にともない団塊世代の退職で労働力人口が減少して人手不足感が強まり、求人数が増加したからだ」という主張だと考えられます。「完全失業率=(労働力人口-就業者数)÷労働力人口」ですので、就業者数が維持されれば完全失業率は低下するというわけです。

 

 

■高齢化でも労働力人口は増加している

 

では実際のデータはどうなっているのでしょうか?実は高齢化にかかわらず労働力人口も就業者数も増加しているのです。つまり働きたい人も実際に働いている人も増加しているのです。ちなみに旧民主党政権時代は就業者数は約40万人減少、アベノミクスでは約280万人の増加です。生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口層)は減少しているので、これはこれまでは就職難で働こうとしなかった人が労働市場に参加したからだとしか考えられません。

 

就業者数 「完全失業率=(労働力人口-就業者数)÷労働力人口」の式で考えてみましょう。上の図から分かるように、労働力人口も就業者数も増加していますが、就業者数の伸びの方が大きいことが確認できます。その結果、分母の値は増加しつつも分子の値が減少した結果、完全失業率が減少していると考えられます。

 

つまり「完全失業率が低下しているのは少子高齢化(団塊世代の退職)によるものだ」という主張は完全に破綻しているのです。

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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