fc2ブログ

選択肢が増えると楽しみが減る⑤

「選択肢が増えると楽しみが減る」理由について、もう少しだけ理由を考えてみます。

 

■根拠の数は多いほどよいわけではない

 

みなさんは、過去を振り返ってどういうことに後悔するでしょうか?後悔には大きく2つあります。1つは、「○○しなければよかった」というもので、たとえば「転職しなければよかった」「余計な口を挟まなければよかった」といったようなことです。もう1つは「○○すればよかった」というもので、「もっと勉強すればよかった」「もっと真面目に考えればよかった」「思い切って頼めばよかった」といったことです。

 

後悔することは人それぞれですが、一般的に人は短期的には「○○しなければよかった」ということを強く意識し、長期的には「○○すればよかった」ということを強く意識します。

 

たとえば、過去6ヶ月間の最大の後悔を聞くと、行動して予想どおりにいかなかった事例を挙げるが、これまでの人生における最大の後悔を聞くと、行動しなかった事例を挙げる傾向があるそうです。

 

ある選択肢を選んでしまうと、長期的には他の選択肢を選ばなかったことが重くのしかかるようになるのです。

 

 

■ニアミスだと激しく後悔する

 

後悔するのは、「望んでいた結果にどれだけ近づけたか」も大きな影響を与えます。望んだ結果にもう少しで到達できたならば、「もっとちゃんとやればよかった」と後悔するでしょう。逆に端からてんでダメなら、後悔などしないはずです。

 

たとえば難関試験に挑戦し、あと数点で合格だったとしたら後悔は大きなものでしょうし、かすりもしなければ諦めも早いでしょう。ちなみに資格受験対策の講師をしていて、受講生の方から最も多く聞くことは、「二択で迷って最後に不正解の選択肢を選んでしまった」というものです(惜しいところだったという気持ちはわかりますよ)。

 

さて冬季オリンオピックの開幕が近づいています。では銀メダリスト(2位)と銅メダリスト(3位)では、どちらのほうが本人的には嬉しいでしょうか?これは有名な話でご存知の方も多いかもしれませんが、銅メダリストのほうが圧倒的に満足度が高いのです。なぜなら銀メダリストは、「あともう少しで金メダルが取れたのに」という思いが強くなるのに対し、銅メダリストは「表彰台に上れてラッキー」と思えるからです。

 

 

選択の自由が後悔を招く

 

前回、少し触れましたが、後悔の要因としては、さらに「決定についての責任」があります。人から言われたとおりにやって良い結果が得られなくても人は後悔することはありません。自分で決めたことで良い結果がでないと後悔するわけです。選択の自由が後悔を招くのです。

 

以上から、人が激しく後悔するのは、うまくいかなかった行動について自分に責任があり、もう少しでうまくいきそうだった場合になります。選択肢が増えれば自分に合ったものを見つけやすくなりますが、選択を誤る可能性も高くなり、ニアミスが生じやすくなります。ある選択をした結果、自分の期待どおりにならなかった場合、自己責任による呵責に、ニアミスの悔しさがマイナスの感情に拍車をかけることになったり、さらに選択後の後悔を恐れるあまり、選択そのものをしなくなるのです。

 

 

【参考】

『購買選択の心理学』バリー・シュワルツ著 ダイレクト出版

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR