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あなたの直感は?③

前回、「あなたの直感は?①②」で、直感の頼り無さを確認してもらいました。今回もその続きです。次の質問に答えてみてください。

Q:「?」に数字を埋めてください。

 2,4、6、「?」


A:6.1でも100でも6より大きい数字ならなんでもよい。
 
ほとんどの場合、「8」を提示するでしょう。この場合、「偶数の数列である」という仮説(先入観)での判断になります。しかしながら、もし5つめの数字として「16」が与えられたとしたら、4つめの数字(?)は、「10」になります。この場合は、「前2つと前の数字の合計の数列である」という仮説を適用したことになります。もっとも、5つめの数字は与えられていませんから、現段階では6.1でも100でも6より大きい数字ならなんでもよいということになります。

これは確証バイアスといわれるものの例です。確証バイアスは、「あらかじめ抱いていた仮説や先入観に合致したデータや情報しか求めない」という人間の心理的なエラーのことです。

われわれは現在、入手している情報(データ)の範囲内で何らかの規則性を見出そうとします。「偶数の数列である」という仮説を立てたのであれば、いくら検証しても4つめの数字は「8」でしかありませんし、4つめの数字が「8」となることが証明されるためのデータ(5つめ以降の数字)しか集めようとはしないでしょう。つまり5つめの数字が10で、6つめの数字が12であることを期待してしまうわけです。

今回は、かなり単純な例ですが、確証バイアスは日常的に作動しています。たとえば、自分が何か新しい顧客サービスの必要性を感じたとします。この場合、それを裏付ける根拠(情報)を提示する必要がありますが、ほとんどの場合、自分の考えに共感してくれる数人の顧客の声しか集めようとはしないでしょう。

あるシンクタンクの研究員が、昨年度の「7-9月期の実質GDP」の落ち込みの要因として、「天候不順」や「テング熱」などの些細な事柄を5つほど挙げていましたが、私にはこれも確証バイアスの例にしか思えないわけです。この研究員は消費税増税の立場でしたから、増税以外の要因をかき集めたのではないでしょうか。そう考えると、国会答弁や役所の見解、新聞の社説なんていうのも、多くは確証バイアスにとらわれている気もしてしまうわけです。

仮説を立てること自体は必要なことなのですが、その根拠が十分にあるのか、あるいは新たな情報が追加されたのであれば、仮説そのものを見直すことが重要です。


【参考】
「意思決定のマネジメント」長瀬勝彦著 東洋経済新報社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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