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今年の経済トレンドを読む③

■カギは日銀総裁人事

 

前回、触れたように2018年の日本経済は金融政策のスタンスによるところが大きいのですが、その鍵を握るのが4月の新日銀総裁人事です。深夜、黒田総裁続投の報道が流れましたが、そうであると量的金融緩和にやや消極に転じた現状の金融政策が維持され、円高傾向で推移し、物価上昇率も目標である2%に届かない可能性が高いでしょう。


そもそも日銀総裁には結果に対するペナルティがなく、以前は日銀法を改正して罰則規定を設けるべきだという意見がありました。任期中に物価上昇率目標に達しなかったこと(もっともこれは金融政策ではなく消費税増税が原因ですが)の責任を明確にするためにも今回は総裁を交代すべきだったと思います。

 

報道では「アメリカでは出口戦略(金融引き締めへの転換)に転じている。日本も遅れてはならない。」という向きが強いですが、物価上昇率目標に達せず、さらに日本はそもそもアメリカなどよりも4年遅れで金融緩和を始めているのに、出口だけは揃えるというのは理にかなった話ではありません。しかも前回触れたとおりFRBは金融引き締めにはかなり慎重です。

 

安倍首相は金融政策の重要性を理解していますし、「出口戦略は時期尚早」とはっきり述べています。黒田氏も同趣旨の発言をしていますから、物価上昇率2%の安定的な推移を優先した金融政策に専念してもらいたいところです。

 

個人的に総裁に最も適任と思っていたのは、本田悦郎内閣参与ですが、金融緩和に消極的な日銀プロパーの反発が大きく、そもそも起用が難しかったのでしょうか。残念です。

 

 

■財政政策は緊縮継続

 

一方、政府の財政政策を見ると、こちらもあまりパットしません。日本の構造失業率(失業率の下限)は2.5%と推計され、物価上昇率目標は2%ですが、これを実現するための需要の増加分は10兆円程度といわれています。しかし本年度の補正予算は2兆7073億円にすぎず、ギャップが大きすぎます。

 

政府の公共投資は2013年度以外は緊縮気味であり、今年は国政選挙もないので、追加の政府支出は期待できない状況です。財政・金融政策は現状維持がせいぜいであり、政策的な景気拡大はあまり期待できないとも言えます。

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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