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今年の経済トレンドを読む⑥

■このままでは2014年の消費増税の繰り返しになる?

 

2018年の景気を考える際に無視できないのが、201910月の消費税率10%への引上げです。仮に2018年の景気がよかったとしても、予定どおり消費増税が行われれ来年10月以降の景気が失速しては元も子もありません。

 

2014年の消費増税はまさにそのパターンで、これまで見てきたとおり、GDP6割近くを占める国内消費はいまだ十分に回復するに至っていません。

消費20182 ■消費増税の前に景気を加熱させる必要がある

 

もし仮に予定どおり消費増税を行うのであれば、景気が腰折れしないようにそれまでに景気を加熱させておくらいの対応が必要となります。

 

日本のフィリップスカーブ(物価上昇率と失業率の負の相関を見たもの)によれば、構造失業率(経済構造上、これ以上下げられない失業率)は2.5%程度、それに対応する物価上昇率は2%であり、あとひと押しの金融緩和が求められます

 

特に金融政策の実体経済への効果にはタイムラグがあり、1年程度はかかるといわれており、消費増税のかなり前の段階で行う必要があります。

 

 

■あと10兆円の有効需要が必要

 

一方、財市場を分析するにあたっては、GDPギャップ(需給ギャップ)に着目する必要があります。これは、「(潜在GDP-実際のGDP)÷潜在GDP」で求められます。

 

実際のGDPはおおよそ総需要に対応すると考えて良いです。潜在GDPとは、「これまでの過程から国内の生産要素(機械設備や労働力など)を平均的に投入した場合に実現するGDP」であり、1国の潜在的な供給力です。

 

内閣府によれば、2017年度第3四半期のGDPギャプはプラス0.7%となっており、需要超過となっていますが、おそらくこれは過大評価でしょう。そうであるならば、物価はもっと上昇していなければならないのですが、201712月の消費者物価指数は総合:1.0%  生鮮食品を除く総合:0.9%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合:0.3%にすぎないからです。内閣府の試算は、潜在GDPを過小評価しているという指摘がなされています。

 

「物価上昇率2%、失業率2.5%」に達すれば、本格的な人手不足となり、雇用者の賃金が上昇することで、国内経済の本格的な回復に至ります。そのためには、約10兆円の総需要の増加が求められるとされており、そのための財政政策と金融政策の同時発動が求められるのです。

 




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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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