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意識改革はトップダウンで(異常の見える化)

■現場主体の改善活動に委ねるのは正しいか?

生産現場における改善活動というと、現場主体の自主的な改善活動というのが一般的なセオリーです。多くの製造業でQCサークル活動や小集団活動が行われおり、サービス業や小売業でも取り入れられています。

このような地道な改善活動は否定されるものではありませんが、現場だけに任せてしまうのは問題です。なぜなら各現場に任せてしまうと活動が個別最適化し、必ずしも全体最適にならないといった事態が生じるからです。また、現場にはこれまでのやり方を変えたがらないという一種の慣性がありますから、市場環境の変化により仕事の仕方を一変してもらう必要があってもなかなか変えたがらない傾向があります。

仕事の仕方を変えるためには、まず仕事に対する認識を変えてもらう必要がありますが、そのためにはトップダウンによる意識変革が必要になります。


■意識改革はトップダウンで

次のケースを考えてみてください。

住宅機器メーカーのE社では、工場で生産された製品を物流センターや営業所に出荷している。
E社は、これまでの工場の稼働率優先の生産以上主義によって、膨大な量の不良在庫を抱えてしまった。
しかしながら生産部門は「稼働率優先」「在庫はさばける」といった古い思想を捨てることができずにいた。
そのためA社では、つくりすぎによる在庫が減らずにいた。しかも、在庫の大半は「死に筋」と呼ばれる動きが少ない商品であり、いわば工場は「売れない商品」を一生懸命作る羽目に陥っていたのである。
E社社長が打った手はどのようなものであったか?



仕事における問題を常に見えるようにすることで問題が発生してもすぐに解決できる環境を実現することを、「見える化」といいます。その1つに、「異常の見える化」というものがあります。これは、「現場で生じる異常現象そのものをさらけ出し、顕在化させる。情報や数値ではなく、異常そのものを現物として『見える』ようにする」というものです。

E社社長が打った手は、物流センターや営業所にあった在庫をすべて本社工場に戻させ、その入口に積み上げさせたのです。これにより工場の担当者は出社するたびに在庫の山を直視することになり、つくり過ぎのムダを痛感するようになったといいます。

現場の主体性に任せることは適切なことですが、意識改革を促すためにはトップダウンによるショック療法が必要であることは認識すべきです。


【参考】
『見える化』遠藤功著 東洋経済新報社



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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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