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ポーターの5フォースモデルは使えるか?②

前回、ポーターの5フォースモデルは、「利益の総額はおおよそ決まっており、より多くを奪わなければ儲からない」「プレイヤー間の分配で利益が決まる」という考え方が前提にあり、「自社の利益をあげるためには低コスト化と差別化のいずれかで他の企業に対抗しなければならない」という結論に至るということを取り上げました。

 

 

■価値相関図

 

確かに同業者、売り手、買い手、新規参入業者は、自社にとって脅威となる存在です。しかしながら、常に利益を取り合う関係ではなく、場合によっては、協力関係にもあります。

 

この協力関係についても考慮したフレームワークとして、価値相関図があります。

価値相関図顧客:自社製品・サービスの買い手

 

供給者;資源や部材、労働力などの生産要素の供給者

 

補完的生産者;自社以外のプレイヤーの製品を顧客が所有したときに、それを所有していないときよりも自分の製品の顧客にとっての価値が増加する場合、そのプレイヤーを補完的生産者という。

 

<補完的生産者の例>

ハードとソフト、本体と消耗品の関係が典型的。通信キャリアからすれば魅力的なアプリがあればそれだけ自社の価値は高まるのでアプリソフトメーカーは補完的生産者になる。

 

競争相手:自社以外のプレイヤーの製品を顧客が所有したときに、それを所有していないときよりも自分の製品の顧客にとっての価値が下落する場合、そのプレイヤーを競争相手という。代替品の供給業者や市場シェアを奪い合っている相手が典型的。

 

 

■ゼロサムではなくプラスサムで考える

 

通常、5フォースモデルの同業者や新規参入業者は競争相手と考えられます。しかしながら、一方で、補完的生産者という側面もあります。つまり相手がいたほうが都合がよい場合もあるということです。

 

たとえば、市場の立ち上がり期には、相手がいたほうがプロモーションコストを分担できてよいということがあります。ライバルとの競争が市場を活性化し、買い手の注目を集めることができ、市場の拡大を見込めるからです。

 

また集積の効果もあります。たとえば秋葉原の電気街や、飲み屋街、ブランドショップ街は、多くの同業者の存在が地域としての注目度や優位性に結びつき、多くの消費者を引きつけています。

 

もちろん自社は顧客や供給者とも共同開発などをつうじて協力関係を築くこともできます。

 

このように、近視眼的な「自社以外はすべて敵」という考え方ではなく、「他のプレイヤーと協力関係も結べないか」「ゼロサムではなくプラスサム(ウィンウィン)にならないか」という点も考慮することが自社の利益を向上させるためのカギとなります。

 

 

【参考】

『コーペティション経営』バリー・J. ネイルバフ、アダム・M. ブランデンバーガー著 日本経済新聞社 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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