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あなたの直感は?⑤

今回は、リンダ問題と言われるケースを考えてみましょう。

リンダは31歳、独身で社交的かつ聡明な女性です。彼女は大学時代には哲学を専攻していました。また、学生時代には差別や社会正義といった問題に深い関心を持ち、反核運動のデモにも参加していました。では、リンダの職業として最もありえそうなものから順にランク付けしてみてください。


A:リンダは小学校の教員である。
B:リンダは書店に勤務し、ヨガを習っている。
C:リンダはフェミニズム運動に参加している。
D:リンダは精神医学の専門家である。
E:リンダは女性有権者の会会員である。
F:リンダは銀行員である。
G:リンダは保険の営業員である。
H:リンダはフェミニズム運動に参加している銀行員である。


ここで問題となるのは、「F:リンダは銀行員である。」と「H:リンダはフェミニズム運動に参加している銀行員である。」です。当然ながら、フェミニスト銀行員は全員銀行員なのですから、Fのほうが可能性は高いわけです。

しかしながら実験に参加した学生の89%が、「銀行員である可能性」よりも「フェミニスト銀行員」である可能性のほうが高いと答えたのです!確率・統計の知識が十分にあるスタンフォード大学の博士課程の学生を対象に行った実験でもほぼ同じ結果が得られました(85%が「フェミニスト銀行員」である可能性のほうが高いと回答)。

このように「2つの事象が重なって起きることと単一の事象を直接比較した上で、前者の確率が高いと判断するエラー」を「連言錯誤」と言います。

では、なぜこのようなエラーが生じるのでしょうか。おそらくリンダが単なる銀行員というよりもフェミニスト銀行員のほうがもっともらしいからでしょう。

「もっともらしい」情報が加わると、連言錯誤が生じる可能性が高くなります。「あなたの直感は?④」で触れた代表性ヒューリスティック(特定のカテゴリーに典型的と思われる事項の確率を過大に評価しやすい意思決定プロセス)が作動するからです。

F:リンダは銀行員である。
I:リンダは兄と妹がいる銀行員である。

Iは具体的な情報が付け加えられていますが「もっともらしい」情報ではないので、この場合、連言錯誤は生じにくくなります。

【参考】
「ファスト&スロー(上)」ダニエル・カーネマン著 早川書房
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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