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努力の正当性

前2回で加入儀式が過酷であるほど、組織へのコミットメントを強めることについて触れました。この背景にあるのは、人は苦労して手に入れたものであるほど有難がるという性質です。

 

■努力の正当化

 

前々回、恥ずかしい思いをして討論に参加したグループと、そうでないグループでは、前者のほうが参加に対する満足度が高いという実験結果を取り上げました。これには、「苦労して手に入れたものを否定することは、その人にとって自己否定につながるからだ」ということの他に、もう1つ理由があります。

 

それは、人は努力して何かを成し遂げると、努力しないで同じ結果になった場合よりも、その対象に対する魅力が高まるという性質があるということです。

 

同じ高価な腕時計でも、お金持ちの方と貧乏人では、有難さが違うでしょう。購入に至るまでの努力が異なるからです。難関校の在校生や卒業生、官僚や大手企業の社員の方が、自分の組織に誇りをもつ理由も同様です。厳しい試験や選抜を経て所属を許されたわけですから、有り難さはひとしおです。さらにその中での競争に打ち勝った幹部ともなれば、なおさらエリート意識は高くなろうというものです。

 

 

■はじめに高いハードルを課す

 

さて、この努力の正当化をうまく利用できないものでしょうか?

 

企業の新人教育担当であれば、入社時研修にある程度、厳しいタスクを課したほうが会社への満足度が高まるかもしれません。現に厳しい入社時研修を課す企業がありますが、途中で脱落さえしなければ、参加者の意欲は高いように感じます。

 

またプロジェクトリーダーを任された場合も、メンバーの意欲を高めるために、最初の段階である程度高いハードルを設定するとよいでしょう。

 

 

【参考】

『あなたの部下は、なぜ「やる気」のあるふりをするのか』釘原直樹著 ポプラ社

 

 

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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