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自分の企画を認めさせるための工夫⑥(根回し)

会議やミーティング、あるいは上司に対して論理的なプレゼンテーションを行えば、自分の企画が通るかというと、そんなに甘くはないということはみなさんご承知のとおりです。意思決定者やキーパーソン、利害関係者への根回しが必要です。

 

 

■対象人数が少ないほど関心が高まる

 

自分の企画を上司に認めさせたいとします。上司に時間を作ってもらい、「○○という問題を解決するためにこうしたいのですが、どうでしょうか?」といきなり結論を示すのはお勧めできません。上司にとってはあまりに唐突すぎ、判断のための時間を稼ぐためにもおそらくまずは拒絶してみせる(あるいは否定的な態度をとる)可能性が高いからです。

 

交渉の鉄則として、まずは合意しやすいところから話を始めるということがあります。この場合は、「今の業務ではこういう問題があると思うのですが」「このままでは○○という問題が発生するように思えますが」などといったように問題の提起から始めるのです。

 

問題はたいていは抽象的で誰も否定しようがないものですから、合意は得やすいでしょう。この合意の過程で相手との関係性を深め、今後の支持を取り付けやすい環境を作ります。

 

 

■根回しはフェイストゥフェイスで

 

現在では多くの方が日常のコミュニケーションとしてeメールを使われていると思います。場合によっては、隣の席の人間にもかかわらずeメールでやりとりするといったような事態すらあります。

 

ではeメールを使用する理由はなぜでしょうか?おそらく自分の都合でメッセージを発信できる、相手との煩わしいコミュニケーションを避けられる、記録に残りあとあと面倒が生じた場合の証拠となる、一斉メールで手間が楽といったことでしょう。

 

しかしながら、こうしたことは目回しでは一切御法度です。根回しの目的は、合意形成をつうじて相手との関係を築くことです。自分都合で一方的にメッセージを発するだけでは関係性は築けません。また関係性を築くには1対1のコミュニケーションが不可欠です。さらに相手の言質をとるという姿勢で臨むと、相手から警戒され、合意を引き出すことは困難です。さらにいきなり長文のメールを送りつけられたほうからすれば、迷惑なだけです。

 

またよく言われるように、言語情報だけでは、内容を正しく伝えることは困難です。表情やジェスチャー、そして柔軟なやりとりをつうじてはじめて正しい真意が伝わるのです。相手が遠隔にいないかぎりは、根回しは必ずフェイストゥフェイスで行うべきです。

 

【参考】

『世界標準のNEMAWASHI(ネマワシ)の技術』新将命著 CCCメディアハウス

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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