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貿易赤字は悪か?①

アメリカと他の先進国および中国との貿易摩擦が加熱している。なんとなくトランプ大統領のいっていることはむちゃくちゃな気がするのはわかるのですが、どこがおかしいか説明するのは意外と難しいかもしれません。

 

 

■輸入が増えるのは国内経済がよい証拠?

 

トランプ大統領が問題視しているのは貿易赤字ですが、経済学的貿易赤字が問題視されることはありません。先進国の多くが貿易赤字ですが、貿易赤字だからといって経済状態が悪いわけではありません。

 

むしろ貿易赤字は経済状態がよい結果と捉えることもできます。貿易赤字とは、輸入が輸出を上回ることです。そして基本的には輸入は国内消費と同じ動きをします。

 

国内の景気がよくて人々の所得が増えれば、消費活動が活発になります。消費活動の多くは国内で生産されたものに回るでしょうが、一部は海外で生産されたものに回るでしょう。これが輸入です。家計に限らず企業で考えても同様です。輸入(海外で生産されたものへの消費)は、国内の生産では追いつかない需要と考えることもできます。

 

 

■輸入を増やせば国内総生産以上にモノを買える

 

GDP(国内総生産)を需要面からみると、次のようになります。

 

YCIG+(EXIM)・・・①

(※GDPY、輸入=IM、輸出=EX、消費=C、投資=I、政府支出=G

 

CIG)は内需でアブソープションと呼ばれます。(EXIM)は貿易黒字に該当します。この式から、国内の総生産(Y)を超えて企業や個人が消費・投資活動(CIG)を行えることがわかります。内需が増えても、輸入(IM)がマイナスの形で作用するので、バランスがとれるからです。

 

言い方を換えれば、国内の消費や投資が活発になれば(国内総生産以上にモノを買いたければ)、輸入(IM)を増やさなければならない(貿易赤字になるしかない)のです。

 

 

【参考】

『経済学的思考のすすめ』岩田規久男著 筑摩書房

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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