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弱いつながりの強さ①

■親しい人からの仕事の紹介は期待できない!?

 

誰かの紹介で仕事を紹介してもらったという経験があるでしょう。ではその仕事は誰から紹介してもらったでしょうか?友人や近しい人から紹介してもらったというケースは、案外少ないのではないでしょうか?

 

グラノベッターは、ボストン郊外で就職先を見つけたばかりの若者54人に、就職の決め手となった情報をどのような人から得たかを質問調査しました。結果は、「頻繁に会う」相手から情報を得たのはわずか9人(17%)で、残りの45人(83%)は、「たまにしか合わない、あるいはほとんど合わない」相手から得ていました。同様の結果が得られた調査は他にもいくつかあります。

 

 

■弱いつながりの強さ

 

「接触回数が多い、一緒にいる時間が長い、情報交換の頻度が多い、心理的に近い、血縁関係にある」などのつながりを「強いつながり」、その逆を「弱いつながり」といいます。

 

就職情報や自分の仕事についてヒントとなる有益な重要など、自分にとって転機となりうるような重要な情報は、「強いつながり」によってではなく、「弱いつながり」によってもたらさせるということを示した理論に、「弱いつながりの強さ」理論があります。

 

SNSをやってる方が多いと思いますが、おそらくつながっている人の大半はちょっとした知り合いであって、そんなに親しいわけではないでしょう。友人・知人関係とは概してそういうものであるはずです。このような人のつながりや、それによって情報がどのように伝わるかを理論化したのが、「弱いつながりの強さ」理論です。

 

 

■ブリッジとは?

 

「弱いつながりの強さ」理論で、まず知っておいていただきたいのが、「ブリッジ」という概念です。ブリッジとは、「2つの点をつなぐ唯一のルート」のことです。

 ブリッジ 上図の左のネットワークは、ABをつなぐためにはCを介在するしかありませんから、ブリッジがあります。右のネットワークは互いを結ぶルートが2本ありますからブリッジは存在しません。

 

 

■強いつながりの形成要因

 

さてここでACCBが互いに弱いつながりであったとすると、左のネットワークの状態が維持されます。

 

一方、ACCBが互いに強いつながりであったとすると、ネットワークはやがて左から右の状態になり、ブリッジは存在しなくなります。理由は、以下の3つです。

 

まず、ACCBが互いに強いつながりで交流頻度が高く、平日の時間の80%を一緒に過ごすとしましょう。そうなると、ACがともにいながらBもいる確率は80%×80%=64%とかなり高くなり、結局ABも強くつながってしまいます。

 

次にCと親友関係にあるAは、同じくCと親友関係にあるBに対して親近感を持ちやすくなります。よって、ABは強くつながるのです。

 

さらに人は自分と似た人とつながりやすい傾向があります。ACが親友であれば、両者は似たことに関心がある可能性が高いでしょう。CBも同様です。よって、ABも同じことに関心がある可能性が高く、結果、両者はつながりやすくなります。

 

 

さて、ここまで強いつながりの形成要因について述べましたが、私たちの知人の大半は弱いつながりです。それは、多くの知人との関係では上記の3つが該当しないからです。それほど親しくないし、共通の関心もないし、いつも一緒に過ごしているわけでもない人たちと多くつながっているからです。

 

よって、先の左の図のように、ブリッジが存在することになります。次回は、私たちの人間関係の状態である「弱いつながり」について考えてみます。

 

【参考】

「ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016 12 月号」ダイヤモンド社

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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