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弱いつながりの強さ⑤

SNSのつながり

 

「弱いつながり」といえば、まず思い出すのはSNSでしょう。フェイスブックの研究者バクシーは、約340万の観測データから次のことを結論づけました。

 

・人は、フェイスブック上で頻繁に交流している「友だち」が発信した情報をシェアしがちな傾向がある。

 

自分と近い人が発信した情報は、心理的に周囲にシェアしたくなるということは感覚的にも理解できます。

 

・フェイスブック上の「友だち」がある情報をシェアした場合、そのシェアされた情報をその「友だち」の友だちがさらに周囲にシェアする確率は、両者が頻繁に交流している場合より、両者に普段はほとんど交流がない場合の方が、高い。

 

「強いつながり」の友だちが「みずから発信する情報」は、周囲に知らせたくなるものです。一方、強いつながりにいる友だちが「シェアした情報」は、同じようなものである可能性が高い。よってシェアされにくくなるのです。

 

一方、「弱いつながり」の友だちがシェアする情報は、シェアされた人にも目新しいことが多く、したがってさらに別の人にもそれをシェアしたくなるのです。

 

 

SNSで狭まるスモールワールド

 

さて、前回、人と人の間には平均で6人存在するという「6次の隔たり(スモールワールド)」を紹介しました。これは1960年代後半の話です。SNSの普及によって、人と人とのつながりはさらに近くなったように思えます。

 

フェイスブックのベックストルムとミラノ大学の共同研究チームは、全世界7.21億人のフェイスブックユーザーをもとに、「友だち」が「友だち」としてつながる経由数を測ったところ、平均で4.7人でした。SNSの世界では、スモールワールドはいっそう狭いものであることが確認されたのです。

 

SNSによって確実に弱いつながりが爆発的に延びています。このことは、商品の流行に大きな影響を持つことが容易に想像されますが、政治の世界にも大きなインパクトがあります。2010年にアラブで起きた「アラブの春」では、SNSを通じて人々の間に情報が急速に広がり、それが政変につながったとされます。

 

一方で、フェイク情報も一気に広まりパニックに陥る恐ろしさがあります。昔からデマの問題はありましたが、SNSがそれを増幅させることは留意しておくべきでしょう。情報が流れても、他の弱いつながりから違う情報も確認する姿勢は持ち合わせたいところです。

 

 

【参考】

「ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016 12 月号」ダイヤモンド社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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