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情報の非対称性②

前回、情報の非対称性(取引を行う際、商品等に関して当事者がもっている情報に当事者間で格差があること)を取り上げました。情報の非対称性が存在すると、レモン問題(質が悪いものばかり出回る)の結果、市場取引が行われなくなる可能性があります。

レモン問題の解消策として、代表的なものにシグナリングと、自己選択メカニズムがあります。

 

 

■シグナリング

 

情報の非対称性があるから問題が生じるのであれば、情報の非対称性をなくすことが解決の第一歩です。たとえば買い手側に商品の品質に関する情報が乏しいのであれば、売り手側から情報を公開するということです。

 

中古車でいえば、中古車ディーラー側が消費者の不信感を払拭するために、売り物の中古車の情報を細かく開示する、品質保証をつける、返品制度を設けるといったことです。

 

情報の非対称性があるかぎり、ビジネスとして成立しなくなるのですから、それを解消しようというわけです。

 

情報を持っている主体が、持っていない主体に対して、自ら情報を伝えようとすることをシグナリングといいます。

 

 

■自己選択メカニズム

 

自己選択メカニズム(スクリーニング)とは、情報を持つ側に、自ら情報を開示するような行動をとるように仕向ける仕組みのことです。

 

保険料を例にします。保険会社が2つの保険商品を用意します。1つは、「保険料は安いが医療費の一部は被保険者(保険加入者)の自己負担とする保険商品」、もう1つは、「保険料は高いがすべて保険でカバーするという保険商品」です。

 

この場合、健康な人は前者を、病気がちな人は後者を選ぶ可能性が高いです。言い換えれば加入者がどちらの保険を選ぶかでその人の健康について情報を引き出すことができるのです。

 

 

■市場メカニズムにどう乗せるかがポイント

 

市場メカニズムが上手く機能しないことを、市場の失敗といいます。情報の非対称性は、市場の失敗の典型的なケースです。

 

市場メカニズムを機能させるためには、取引当事者が取引する財(モノ・サービス)について、十分な情報を持っていることが前提です。シグナリングも自己選択メカニズムにせよ、市場を上手く機能させるための仕組みといえます。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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