fc2ブログ

生物学に学ぶ企業生存の6原則②(組織構造)

 前回、複雑適応系を応用した生物学に学ぶ企業生存の6原則を取り上げました。今回は、個別に触れていきたいと思います。

 

■異種混合を維持する

 

インフルエンザのウィルスは、突然変異を起こす比率が高く、それゆえに非常に多くの変種を持ちます。人間はそれらに対し、様々なワクチンを開発しますが、すぐに新たなウィルスが発生するといういたちごっこが繰り返され、撲滅されることがありません。つまり多様性がウィルス存続の条件なのです。

 

企業においては、外部環境の変化が自社のビジネスモデルを時代遅れにしてしまうというリスクがあります。よって、様々な考え方を内部に取り込み、様々なイノベーションや取り組みを行って、自ら多様性を確保することが求められます。

 

 

■モジュール化を続ける

 

モジュール化とは、要素間で相互に影響を与えないように独立させるという役割分担の明確化を意味します。どれか1つの構成要素でショックが生じても、隣接する構成要素への波及が防止され、結果的に系全体の生命力を強化します。

 

組織内のある部分が崩壊したからといって、組織全体がその影響をなるべく受けないようにする仕組みが必要です。

 

このことは、企業間の取引でもいえます。1つの企業の倒産が連鎖倒産を引き起こすことがまま見られます。取引企業相互の関係がタイトであるほど(特定取引の依存度が高いほど)、このようなリスクに弱くなります。

 

よって、企業のリスク抵抗力を高めるためには、異なる種類の事業取引を複数確保することが求められます。

 

 

■冗長性を保持する

 

冗長性を持つ系では、同じ働きをする構成要素が複数存在します。どれか1つが失敗しても、別の構成要素がその機能を実行します。

 

人間は病原体に対する防衛線を複数持っています。それは、物理的な防壁(肌と粘膜)、先天的な免疫系(白血球)、そして後天的な獲得免疫系(抗体)です。健康体ではこの冗長なメカニズムが歩調を合わせて動くため、1つが失敗しても他が感染を防ぎます。

 

多くの企業は冗長性をスリムさと効率性の対極にあるものとみなし、排除しようとします。しかし、これが壊滅的な結果を招くことがあります。

 

たとえば、完成品メーカーがある特定の部品の調達先を1社に絞ったとします。この場合、その調達先の工場が火災などで操業停止に追い込まれると、完成品メーカーはもはや生産ができなくなります。

 

また、ある業務ができる担当者が1人しかいないケースはよく見られます。「○○さんしかその仕事は知らないし、誰もできない」といったケースです。この場合も、その担当者が何らかの理由で突然やめてしまったら、重大な事態になりかねません。そのためには、日頃から担当者任せにしない、情報共有するといった取り組みが必要なのは言うまでもありません。

 

 

【参考】

『ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016 06 月号 (心を動かすデジタルマーケティング)』ダイヤモンド社

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR