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生物学に学ぶ企業生存の6原則③(マネジメント)

複雑適応系を応用した生物学に学ぶ企業生存の6原則の続きです。残りの3つを取り上げます。

 

予測はできないが不確実性は減らせる

 

変化のシグナルを集め、変化のパターンを察知し、ありえそうな結末を想像します。そして、予防措置を講じます。

 

確かに様々な要素が複雑に影響し合って変化は起きますので、それを完全に予測することは不可能です。しかしながら、どのような変化がありうるか、変化の方向性をシグナルで感じることは可能です。

 

そのためには、まず同業他社(特に業界のリーダー企業)の動きを観察し、変化に対してどのような手を打っているかを把握します。

 

次に業界の周縁部を注意深く観察します。業界の変化は多くの場合、その周辺からもたらされるからです。特にそれまでの業界常識だったビジネスモデルとは異なるビジネスモデルで挑んでくる新規参入企業の動きに注目します。

 

 

■フィードバックループと適応メカニズムを構築する

 

変化に目を光らせ、多様性を促進し、実験を行い、イノベーションを増幅し、これらを短期間に繰り返します。

 

自然界では、様々な種が誕生し(多様性の確保)、環境に適応した種が生き残るという淘汰の過程を必ず経ます。そして生き残った種の望ましい特徴が拡大再生産され、種の繁栄をもたらします。

 

企業においても同じで、たとえば小売業においては、顧客ニーズの変化により、様々な業態の中からコンビニ型が優位となり、多くのコンビニチェーンが生まれ、市場を制圧しました。

 

環境変化にもっとも近いのは現場です。よって、企業は、組織の末端にまで目を配り、適切なシグナルを検知する必要があります。現場の声を吸い上げるとか、トップが現場に赴いて観察する、顧客の声を聞くといったことです。そして、感じたシグナルを組織としての行動に反映させるべく変革をおこします。

 

 

■信頼と互恵主義を育てる

 

ビジネス・エコシステム(ビジネス生態系)全体の参加者に利益をもたらすように行動し、確実に互恵主義が生まれるような仕組みを導入します。

 

人間社会に存在する複雑適応系が強い生命力を持つためには、互恵主義と信頼に基づく人々の協力が必要となります。個人が自らの利益だけに沿って行動していていは、系全体が崩壊するからです。

 

有史以来、様々な宗教が互恵主義の重要性を説き、コミュニティが住民間の信頼性を維持することに熱心であったのも、社会(あるいはコミュニティ)全体の生存のためです。そして全体に対し貢献した人物を高く評価することで、個人の貢献意欲を高めています。

 

企業においても同様で、個々の努力と組織全体の利益が結びつくようなシステムを構築する必要があります。

 

【参考】

『ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016 06 月号 (心を動かすデジタルマーケティング)』ダイヤモンド社

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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