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プラシーボ効果①(偽物でも効果がある)

■偽薬でも本物と同じように効く?

 

プラシーボ効果(偽薬効果)とは、実際にはまったく効用のない薬が、効き目をもたらすというものです。つまり、「薬を飲んだのだから効くんだ」と思い込むことで実際に体調が良くなるという、一種の暗示効果です。

 

数多くの実験で、プラシーボ効果が確認されています。たとえば、モルヒネと偽った生理食塩水を服用したグループと、何も服用しなかったグループとで、痛みに対する我慢大会を行ったところ、なにも効用がないはずの生理食塩水を服用したグループのほうが痛みへの耐久度が高くなりました。

 

また偽物のステロイドを投与されたグループと、そうでないグループとで重量挙げの成績を比べたところ、前者のほうが成績がよかったというものもあります。

 

よくスポーツ選手のドーピング問題が話題になります。禁止薬物は一切服用してはならないわけではなく、大会直前の一定期間の服用が禁止されているに過ぎません。そうであるならば、チームドクターやコーチが、大会よりかなり前には、選手に本物のモルヒネを与え続け、直前になったら偽物を与えたらどうでしょうか?実際には、選手を騙すという倫理上の問題がありますから、実際に実行するのは困難ですが、興味深いところではあります。。

 

 

■ジェネリックよりブランド品のほうが効き目がある?

 

1980年代にイギリスの研究者が行った調査によると、頭痛を抱えた患者が同じようにアスピリンを服用しても、それが有名ブランドの薬だと思って飲んだ場合のほうが、ジェネリック医薬品だと思って飲んだ場合よりも効き目があることが分かりました。

 

また、有名ブランドの薬のラベルを見せると、実際に服用したのがプラシーボであっても効果が高まることもわかっています。

 

 

■価格が高いほど効き目がある?

 

また価格の影響もあります。2006年にMITとスタンフォード大の研究者が次のような実験を行いました。まず、被験者に何度が電気ショックを与えました。その後、「新開発の鎮痛薬」と称してプラシーボを投与してから、再び最初と同じ強さの電気ショックを何度か与えました。

 

一部の被験者には投与したニセの鎮痛薬を1錠当たり2ドル50セントと伝え、残りの被験者には「元は1錠当たり2ドル50セントであったが、今は10セントまで値下がりした」と伝えました。

 

結果は、どちらの被験者にもニセの鎮痛剤を投与したにもかかわらず、2ドル50セントと伝えられた被験者は85%が痛みが和らいだと答えたにもかかわらず、10セントに値下がりしたと伝えられた被験者はその割合が60%にとどまりました。

 

値段か高いほど、私たちは効用が高いと判断してしまうのです。

 

薬局で薬剤師がジェネリック医薬品の説明をするのも、薬代の節約のほかに、患者の回復のために「ジェネリックでも効き目は変わらない」ということを強調するためなのでしょう。

 

【参考】

『「期待」の科学 悪い予感はなぜ当たるのか』クリス・バーディック著 CCCメディアハウス

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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