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プロジェクトが遅れる理由

プロジェクトの期限は大抵は遅れがちです。最初に余裕をもってスケジューリングしたのに、なぜ期限を守れなくなるのでしょうか。

 

■計画錯誤

       

プロジェクトに限ったことではありませんが、人はかかる時間を甘く見積もる傾向があります。時間や予算など計画完遂に必要な資源を常に過小評価し、遂行の容易さを過大評価する傾向のことを、計画錯誤といいます。計画錯誤は、人間が持つ楽観主義によるものです。

 

例えば、論文作成について、学生たちが予想した最短日数の平均は27日で、最長日数は49日でした。しかし、実際にかかった日数は平均56日でした。最短のケースの日数で書き終えた学生はほんの一握りで、最長のケースと予想した日数で書き上げた学生は、半分もいなかったのです。

 

集団になると、個人よりもタスク完了に要する時間を軽く見積もることが、多くの研究で明らかになっています。

 

 

学生症候群

 

納期のある作業を行う際に、余裕時間があればあるほど、実際に作業を開始する時期を遅らせてしまうことを、学生症候群といいます。

 

先ほどの例もそうですが、夏休みの課題について、まだ手をつけなくていいだろうと思っていると、そのうち余裕(バッファ)を食いつぶしてしまうということです。

 

 

パーキンソンの法則

 

パーキンソンの法則とは、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものです。

 

なぜ、そのようなことになるのでしょうか。たとえば、上司から命じられたあるタスクについて、作業時間を15時間、余裕を5時間と見積もったとします。実際には12時間で終わったとしても、次のタスクが振られてしまうとしたら、どうでしょうか。ブラッシュアップと称して、残った8時間を費やしてしまうことになります。

 

 

■天井効果

 

このことは時間に限ったことではありません。ノルマを達成するとそれ以上に頑張らなくなることを天井効果といいます。営業マンが期のノルマを達成してしまうと、それ以上、頑張らなくなることが典型例です。

 

天井効果には、2つの要因が指摘されています。1つは、これ以上頑張って今期あまりに高い実績を残すと、次期にもっと高い目標を課せられて苦しむことになると予想するため、ほどほどにしておこうという心理が働くということがあります。

 

2つめは、ノルマを達成したかしないかだけで評価がなされ、目標を上回った部分に対する評価がないと、目標以上の成果を出しても意味がないと判断され、目標達成が見えてきたら、もう頑張る気力が沸かなくなるということがあります。

 

 

【参考】

『プロジェクトを成功させる技術[ハンディ版] 』芝本秀徳著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

『モチベーションの新法則』榎本博明著 日本経済新聞出版社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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