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顧客アンケートで顧客満足を上げる方法

顧客アンケートをみると、大抵は「お気づきになった点は何ですか」「改善点や要望がありましたらお書きください」とあります。気づいた点で良いことを書く人はあまりいないでしょうから、「悪いこと」を前提にしていると考えられます。確かに改善をするためには、悪い点を指摘してもらうのが一番ですが、これでは顧客満足は下がってしまう可能性があります。

 

 

■最初に賛辞を求めると、顧客満足が上がる?

 

ユタ州立大学のボーンによる調査によれば、最初に心地よい体験に対する賛辞(例:こちらにお越しいただいた時に、快適だったことは何ですか)と記入を依頼してから顧客アンケートを開始すると、記入される満足度レベルが上がり、顧客が再購入するチャンス、費やす金額、長期に渡るロイヤルティが上昇する傾向があるとのことです。

 

ある小売業では、最初に心地よい体験に対する賛辞を記入してもらってから顧客アンケートを開始した場合と、そうでない場合とを比べたところ、前者のほうが翌年の購入回数で9%、支払い金額で8%上昇しました。B2Bのソフトウェア企業の場合は、実に32%もの支払い金額の上昇が見られたそうです。

 

 

■人間は「褒めたものを気に入る」

 

なぜ、人は最初に賛辞するとその企業への愛顧が高まるのでしょうか。はっきりしたことはわかりませんが、2つの理由が考えられます。

 

1つは、肯定的な経験を話すように頼めば、これらの経験の記憶がより顕著になって、その後にその記憶にアクセスしやすくなり、出来事の対する顧客の認識全体を強化する可能性があるからです。

 

先行の学習もしくは記憶が、後続の別の学習もしくは記憶に、無意識的に影響を与えることを「プライミング効果」といいます。最初によい経験をイメージさせられることで、そのイメージにプライミングされるということです。

 

もう1つは、認知的不協和の解消です。人は自分の気持ちの中に不協和が生じることを避けます。ですので、最初に良いイメージを持つと、それを否定するような悪いイメージを払拭しようとします。

 

人間は「気に入ったものを褒める」とともに「褒めたものを気に入る」のです。

 

 

■「最初に賛辞を求める」ことのリスク

 

ただし、だからといって「最初に賛辞を求める」アンケートを実施すればよいというわけではありません。

 

まず、最初に賛辞を求めて得られた顧客満足度は、水増しされた結果であり、自社への真の評価ではないからです。これでは適切な改善活動にはつながらないでしょう。

 

また、明らかに不満を感じている顧客に賛辞を求めると逆効果になる恐れもありますし、そもそもまず賛辞を求めること自体にやりすぎ感を感じるかもしれません。

 

実施するとしても、あくまで改善のためのアンケートとは別に実施するべきでしょう。

 

【参考】

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2017年7月号

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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