「おっと大変だ」効果
人は仕事の中盤で手を抜く傾向があります。いわゆる中だるみというやつです。その一方で、現時点から期限までの中間地点で急にエンジンがかかるという傾向もあります。
一般的に、チームの集中力や生産性は時間が経つにつれ徐々に高まるイメージがあります。しかし、コニー・ガーシックという研究者が、銀行や病院のチームを調査したところ、最初は長々と惰性の期間を過ごし、ある時点で急にギアが上がることに気づきました。
チーム発足から、ほとんど何ごとも成し遂げないまま、かなりの時間を過ごし、スケジュールの中間地点で、突如精力的に活動するようになる傾向がどのチームにも見られたのです。
中間地点に達すると、もう半分も時間を無駄に過ごしてしまったと頭の中に警鐘が鳴り、これが適度なストレスとなって、「おっと、もう時間がないぞ」とモチベーションを再び呼び戻すのです。
このように中間地点には、中だるみでモチベーションを失わせる場合もあれば、「おっと大変だ」とモチベーションを高める場合もあります。次回は、中間地点でモチベーションを呼び覚ます方法を見ていきます。
【参考】
『When
完璧なタイミングを科学する』ダニエル・ピンク著 講談社