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カスタマーバリュー・パッケージ

前回、顧客のベネフィット(便益)を広く捉えることの重要性について触れました。今回もその続きで、ベネフィットを広くとらえるためのフレームワークを取り上げます。

 

サービスのマーケティングを考えるためのフレームワークに、アルベレヒトのカスタマーバリュー・パッケージというものがあります。サービスのパッケージは、顧客に対して提供されるモノ、サービス、経験の総和であり、次の7つの要素から成り立ちます。

 

  環境

顧客がその商品を経験する物理的な設定のことで、病院のロビー、飛行機の客室、美容院の椅子などです。在宅サービスの場合、顧客の自宅が環境になることもあります。

 

  感覚

顧客が受け取ったあらゆる感覚的な経験のことで、見えたもの、聞こえたもの、匂い、肉体的感覚、痛みや不満、感情的な対応、雰囲気などが含まれます。

 

  人的関係

顧客とサービス提供スタッフ、あるいは顧客と他の顧客との相互作用をいいます。親密さ、丁寧さ、支援的な姿勢、外見上の特徴、問題処理能力などを含みます。サービスの品質は提供スタッフと利用者の相互作用で決まりますが、それに関するものです。

 

  手続き

顧客がサービス事業者と取引するにあたり、顧客に強いる手続きをいいます。ある場所に出向くこと、待つこと、ニーズを説明すること、書類への記入などを含みます。

 

  提供物

顧客が受け取るもので、一時的なものであったとしても、サービスの経験の一部として提供される物理的な要素をいいます。購入した商品、飛行機の機内食、病院の食事、旅行に必要な書類、ノベルティ(粗品)などを含みます。

 

  情報

顧客が、顧客として活動するために必要な情報収集に伴う経験に関する要素をいいます。施設内の案内表示を見てどこに行けばよいかを探せるかどうか、説明書を見て理解できるかどうか、サービスを利用した結果、どのような効果やリスクがあるかを把握できるかといったことです。

 

  財務

経験の対価として、顧客が支払うものです。通常は価格ですが、場合によっては、保険会社など第三者が支払うものもあります。

 

これらの7つのいずれか(あるいは複数)で差別化することができれば、サービス業では大きな競争優位を築くことができます。カスタマーバリュー・パッケージは、サービス業のためのフレームワークですが、卸売業や小売でも十分応用可能です。

 

顧客へのベネフィットを考える上で参考になるのではないでしょうか。

 

 

【参考】

『サービスの経営学』今枝昌宏著 東洋経済新報社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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