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引き締めにかかる日銀の金融政策

前回、決算レベルでみると国の歳出はそれほど増えていないことについて触れましたが、予算(計画)と実際が違うという点では日本銀行も同じです。

 

日銀の黒田総裁は「毎年80兆円規模の金融緩和を維持する」と発言しています。金融緩和(お金の量を増やす)のためには、国債の買いオペを行います(日銀の保有国債を増やす)。

 

下記のグラフは日銀の保有国債残高の推移をみたものです。

 

<日銀の保有国債残高の推移(単位兆円)>

国債


量的金融緩和実施直前の20133月以降の各年3月の日銀の国債保有残高は以下のとおりです。

 

20133125兆円

20143198兆円

20153269兆円

20163349兆円

20173417兆円

20183448兆円

20193469兆円

 

グラフの推移から見てわかるとおり、ある時点から急速に国債の買い入れ額(国債保有残高の伸び)が鈍化してことがわかります。そのある時点とは、20169月に決定されたイールドカーブ・コントロール(YCC)の導入です。

 

YCCとは、10年物国債の金利が概ねゼロ%程度で推移するように買入れを行うことで短期から長期までの金利全体の動きをコントロールすることです。わかりやすく言えば、低下した金利を上げるというものです。

 

お金の量が増えれば資金調達コストは低下し、逆に減らせば上昇するので、YCCを行うためにはお金の量を絞る必要があります。その結果が、日銀の国債買い入れ高の現象に現れているのです。

 

ここにも言っていることとやっていることのギャップを見て取ることができます。

 

残念ながら日本経済は昨年の10月ころをピークに下降傾向にあり、2019年1~3月期のGDP成長率はマイナスとなる可能性が高いです。これはYCCの結果と見て取ることもできます(金融政策の実体経済への波及効果は1年程度あるといわれます)。このような経済失速の状態で引き締めの金融政策を続けることには疑問を感じざるをえません。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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