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新規事業開発のための顧客調査①(定性情報)

■買ってくれる顧客を5人挙げられるか?

 

新規事業が失敗する理由は様々ですが、もっともありがちなのは「これならある程度売れるだろう」と自分たち本位で考えてしまうことです。そして大抵は結局ほとんど誰も買わなかったというオチになります。

 

新規事業は企画段階で顧客への提供価値や顧客を具体的にイメージできなければ必ず失敗します。購入してくれる顧客を最低でも5人想定できなければ、新規事業はまず失敗するともいわれています。

 

 

■これまでの枠組みを超えた発想が必要

 

今までになく価値の高い顧客への提供価値を考える際には、これまでの枠組みを超えた発想が必要になります。

 

たとえば、「机の前に座ってキーボードで文字や数字を入力する」という従来の枠組みでパソコンを考えると、「デスクトップかノートか」「ハイエンドかローエンドか」といったようなそれまでの延長上の発想しか出てこなかったりします。

 

しかし、「机の前に座ってキーボードで文字や数字を入力する」という従来の枠組みを超えることで、「画面タッチで操作する」「音声で操作する」「電話と一体化する」「身につけられる」「モノと一体化する」「通信機能を持つ」という発想が生まれました。

 

 

■価値の高い顧客価値のヒントは定性情報にあり

 

そもそも顧客に関する情報には定量情報と定性情報の2つがあります。

 

定量情報とは、アンケート調査の選択回答を統計処理したもの、人口データや売上データなど、数値化できる量的情報です。

 

一方、定性情報とは、アンケート調査における自由回答や、インタビューでの発言、フィールドワーク時の写真や映像など、文章や画像で構成される数値化が困難な質的情報のことです。

 

定量情報は、アンケート調査の選択肢のように、既存の枠組みを事前に設定したものを計画的に収集という性質が強いです。

 

一方、定性情報は、インタビューの質問に対して対象者が自由に答えるといったように、事前の枠組み設定が弱く、収集される情報も自由度が高いものになります。自由度が高いとは、自分たちにとって思いもよらなかった「枠外の視点」がもたらされやすいということです。

 

一般的に市場環境データや販売データといった定量情報をもとに商品やサービスを考えるということがよく見られますが、はっきりいってこれではうまくいきません。データといった定量情報だけでは、これまでの枠組みを超えた発想は困難ですし、顧客の背景や価値観がわからないからです。特に新規事業に新奇性が求められる場合には、定量分析が顧客価値を考えるヒントとなることはほとんどないと言っていいでしょう(過去に実績がないのだから当然ではあります)。

 

他社にない顧客価値を創造するためには、顧客の属性、背景、置かれている状況、価値観などの定性情報の収集が求められます。そのための代表的なツールとしては、デプスインタビューやエスノグラフィー調査があります。どちらも手間がかかるので、一般的な顧客アンケートを実施したあとに行うという手順になります。

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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